今回紹介するのは「サチのお寺ごはん」です。
この漫画は「グルメ」「悩める女性」「法話」という設定が好きな方におススメできる作品です。
「臼井幸」(27)は、これまでの人生で名前通りにひどい目に遭っており、全てにおいて諦めていました。
木曜日の夜にコンビニで一週間分の食料品を買っていると、いきなり若い男性に「そんなごはんで元気でるの?」と突っ込まれ、驚いた幸は逃げるようにコンビニを後にしました。
仕事を押し付けられ、周りは自分を置いて飲みに行ったりと、これまた散々な目に遭い、帰りにビールを買って帰ろうとすると、そこで再び若い男性に出会います。
彼は「唐丸篤」と名乗り、これから自分たちと一緒に飲もうと言われ、幸は無理やり連れてかれました。
連れていかれた先はなんと「縁泉寺」というお寺で、そこには住職の「源導」と源導に弟子入りした「小木武徳」という人物がおり、4人で”なすの利休汁”を食べ、ふと幸が色々なことを諦めていると漏らすと、源導は仏教の教えを説いてくれました。
このように、幸がしっかりとした温かい食事をしながら、人生について源導から法話してもらうというのが基本的なお話の流れです。
良かった点
①個性的な主人公
見た目は普通の女性ですが、名前とこれまでの人生のエピソードで強力な個性を持っており、物語の主人公としてふさわしいキャラクターだと思いました。
②美味しそうに食べる表現が上手で、見ていてお腹が空く
料理(食材)の絵は、もちろん美味しそうに描かれていますが、それ以上に幸が表情豊かに幸せそうに食べるので、何倍も美味しそうに感じました。
③グルメだけでなく、仏教の教えも知ることができる
悩みがない人なんていませんから、この漫画は現在困ったことがある方にとって、ちょっとした救いになる可能性があって良いと思いました。
④作り方が記載されている
細かいコツなどは漫画で描かれているのですが、基本的な工程や必要な材料などは、お話の後にまとめて記載してあるので、実際に作って食べてみたいという方には非常に役に立つと思いました。
気になる点
①幸が可哀そうな場面が多くて少し見るのが辛かった
話の序盤は、構成上大体幸が不幸な目に遭うことが多いのですが、自分も体験したことあるような不幸な出来事に見舞われているところを見ると、個人的な感想ですが心がキュッとなりました。
②篤が失礼すぎる
いきなり見知らぬ女性(知人でもアウトだが)の食べ物にケチをつけたり、無理やり連れだすという行為に少し引いてしまいました。