今回紹介するのは「悪虐聖女ですが、愛する旦那さまのお役に立ちたいです。(とはいえ、嫌われているのですが)」です。
魔力が存在する世界で、その中でも誰かを治療できる力は「神力」と呼ばれており、強力な「神力」を持つ女性には「聖女」の称号が与えられました。
主人公となる「シャーロット・リア・エインズワーズ」もまた「稀代の聖女」と呼ばれていましたが、他の治療魔術師の神力を封じてしまったり、負傷者を治さなかったりと悪虐非道の限りを尽くしていました。
そんなシャーロットは戦場で敵なしの天才魔術師「オズヴァルト・ラルフ・ラングハイム」公爵の妻になっていました。
そんな悪虐非道なシャーロットが、なぜ有能なオズヴァルトの妻になったかというと、魔力が多いシャーロットを殺せるのは同じく天才魔術師のオズヴァルトくらいですから、監視役として結婚したのでした。
投獄でなく婚姻にしたのは「聖女」にまだ利用価値があるから、だそうですが、他にもまだ理由がありそうです。
その行いによりシャーロットはとらわれて神力を封じられていました。目覚めると、シャーロットは記憶喪失になっており、自分の名前もオズヴァルトの名前すらも何もかも忘れていました。
しかし、シャーロットは自分のやってきたであろう悪行の責任を取るため、記憶喪失だという事を隠しつつ、生きていくことにしました。
記憶喪失のシャーロットは、オズヴァルトに一目惚れをしますが、以前の行いから当然怪しまれます。
しかし、純粋で真っ直ぐな感情をぶつけられるとオズヴァルトもなかなか突き放せないようで…?というお話です。
良かった点
①本当に記憶がない
よくあるやり直し系漫画では記憶を持ってはいるが、自分が破滅しないように改心する、というのが一般的ですが、記憶喪失により完全な善人になるというのは斬新で良い点だと思いました。また記憶がないことにより、感情移入がしやすいなと思いました。
②魅力的なストーリー
話を読んでいるうちにシャーロットがなぜ記憶喪失になったのかという事に興味がわいてきました。これからシャーロットはどのように立ち回っていくのか、オズヴァルトの抱えている事情はなにかなど、いろいろ気になってしまうくらいに話に引き込まれました。
気になる点
①オズヴァルトはどれくらいシャーロットを憎んでいたのか
記憶をなくしたとはいえ、かなり憎んでいた相手なら、そうそう簡単に優しくできないはずじゃないかと思いましたが、1巻の時点ですでに結構優しいので、シャーロットはそこまで憎まれてなかったと言われても不思議には思いません。