今回紹介するのは「生贄第二皇女の困惑 ~人質の姫君、敵国で知の才媛として大歓迎を受ける~」です。
この漫画は「超優秀な主人公」「不幸な皇女」「敵国に歓迎」という設定が好きな方におすすめできる作品です。
フェイトナム帝国第二皇女「クレア・フェイトナム」は帝国で、華やかな姉と妹と比べて愛想も愛嬌もない鉄仮面で、淑女としての教養は全く身に付かず本ばかり読んでいる「淑女教育の敗北」と評されていました。
長年帝国の属国であったバラトニアは、独立戦争で帝国に勝利し、和平条約を結ぶかわりに帝国に対して「フェイトナム帝国の皇女を嫁に寄越すように」という条件を出しました。
帝国はいざという時に脅されてもいいように、帝国で落ちこぼれと評されるクレアを嫁に出すことにしました。
クレアは本が好きでしたが、帝国からバラトニアへの書物の持ち込みを禁じられていた為、一冊も持ってくることが出来ませんでした。
しかし、クレアの頭の中には帝国で読んだ本のすべての内容が入っていました。
クレアは敵国の皇女であった自分が歓迎されることはないと思っていましたが、予想に反して大歓迎されており、さらに王太子である「アグリア・バラトニア」の婚約者にされており、王太子妃として迎え入れられていました。
バラトニアは属国であった時、紙とインクを輸入することを禁じられており、現在も紙の製造法がなく、羊皮紙や木簡を使用していました。
クレアは自分の中にある知識を使い、バラトニアに紙を普及させるためやバラトニアを復興させるために動いていくのでした。
バラトニアではクレアのことを「生ける知識の人」と評していました。その理由はクレアがバラトニアに嫁ぐ4年前に帝国の王宮で、アグリアにバラトニアで蔓延している病の解決法を教えたからでした。
アグレアはその時にクレアに嫁に来て欲しいと約束していました。
クレアは自分のことを、知識だけでなく自分自身を見てくれるアグレアに惹かれ、無事結婚することになりました。
クレアがこれからバラトニアの復興に必要な全権を与えられ、一生懸命に復興を目指していくというお話です。
良かった点
①話のテンポ
一つ一つの出来事に割く話の量が短すぎもせず長すぎもせず、快適に読み進められる点が良かったです。特に序盤のペースはとても良かったです。
②クレアのキャラクターデザイン
機械的でありがちなアニメ調の作風とは異なり、少し特徴のある絵で、個人的に好みでした。
中でもクレアのキャラデザがまるで人形のように綺麗で愛らしくて素敵でした。
気になる点
①クレアの扱われ方
バラトニアの国を病から救ったのは確かに大きな功績ですし、貴重な知識を多く持っているクレアは復興の要ですが、いきなり全権力を渡したり、王太子妃に迎えたりするのは、ちょっとご都合主義なところが強すぎるかなと思いました。
2巻の感想について