今回紹介するのは「悪役令嬢の執事様 破滅フラグは俺が潰させていただきます」です。
魔術や化学が発展していて、その中で魔術を先行していた学生が、乙女ゲーム「光と闇のエスプレシーヴォ」の世界に転生するという物語です。
主人公は悪役令嬢「ソフィア・ローゼンブルグ」の専属執事「シリル」として、のちに訪れる処刑エンドから、ソフィアと共に逃れるために、ソフィアを原作のように闇落ちさせないよう立ち回ります。
ソフィアは悪役令嬢ではありますが、優しい一面もあり、幼少期に孤独を抱えていたり、メイドから嫌がらせを受けて、性格が歪んでしまったという背景がありました。
そんなソフィアをゆがませる原因をとりのぞくため、6年間ソフィアのそばでお世話を続けていたら、ソフィアに恋心を抱かれてしまい、さらには「光と闇のエスプレシーヴォ」の主人公である「アリシア・リンドベル」にも好意を抱かれてしまいます。
つまり、シリルは乙女ゲームの王子ポジションになってしまい、ソフィアに嫉妬されつつも、好意を寄せてくるアリシアの相手もしなければならなくて、その嫉妬からソフィアが闇落ちするフラグがよみがえってしまいます。しかし、ソフィアは原作と違い、もし悪事を働いたとしても暴かれない知恵を持っているので、破滅されることはない…破滅するのはシリルだけという状況になってしまいました。
王子ポジションを本来の第2王子「アルフォース・エフェニア」に返還するため、奮闘するのですが、専属執事の座を狙われたり、闇ギルドから子供を救ったりと色々な困難が起きていくというのが主な内容です。
良かった点
①キャラクターの絵が可愛い
最近の漫画を読むうえで、もちろん内容も大切なのですが、キャラクターの絵も読むモチベーションに関わってくることが分かりました。そういう点では、この漫画の絵はソフィアたちは、もちろん美少女という設定もあるからだと思いますが、とても可愛らしく、キメるところは細かく、ちょっとギャグ気味なところは少し簡易にと、読む側もストレスなく読むことができました。
②序盤の展開が早い
これは漫画によっては欠点にもなり得えます。しかしこの漫画は6歳から12歳の間は、ひたすらシリルがソフィアを育てるという内容になると思います。となると登場人物も少なく変化が少ないものとなると予想がつくので、ここを早くしてくれて、12歳からの話を主な舞台としてくれるのは楽しい部分が増えて良いなあと思いました。
③シリルの行動にもどかしさを感じない
ところどころ危うさを感じるところはありますが、そういう時はやむを得なくという時で、基本は計画的に冷静にことを進めているので、もっとうまくやれるはずだ!というもどかしさが感じられず、すっきりした感覚で読みやすかったです。
残念な点
①シリルの目標が少し曖昧
もちろん自身とソフィアの破滅を防ぐという目標はあるのですが、じゃあその為に何をやるのかというのが、アルフォースとソフィアがくっついてもらうことなのですが、ソフィアにその気がないのもあって、おそらく達成しないことを考えると、じゃあシリルは何のために何をしようとしているのかというのが、少し不明瞭なような気がするので、読むときは、そこをあまり深く考えずソフィアとアリシアの可愛さを堪能するのが良いと思いました。
原作 | 緋色の雨 |
漫画 | 菖蒲 |
キャラクター原案 | 村上ゆいち |
価格 | 600円+税 |
ページ数 | 178ページ |