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悪役令嬢の執事様 破滅フラグは俺が潰させていただきます 最終巻

ネタバレ注意


「悪役令嬢の執事様 破滅フラグは俺が潰させていただきます」の最終巻レビューです。

文化祭の初日、フォルは倒れてしまい、演劇に出ることができなくなってしまいました。

シリル達は演劇は中止するしかないと思っていたのですが、ヒロイン役をソフィアが、悪役令嬢役はひそかに悪役令嬢を練習していたアリシアが演じることになりました。

まさか配役がゲームと逆転するとは思いませんでしたね。アリシアが悪役令嬢の役を練習していたのにも驚きました。こんな天然な悪役令嬢が誕生してしまうとは笑。

代役で主役を演じることになったことにより、迷いを持つソフィアの為、アルフォースシリルに自分の王子役を演じるように交代を頼みました。

アルフォースはずいぶん成長しましたね。自分の気持ちだけではなく、ソフィアのことも考えられるようになったことから、これからもどんどん王子として成長していくのでしょうね。アルフォースは最終的にゲームと同じようにアリシアとくっつくのでしょうか?今のところそんな感じは全くありませんが、個人的な予想としてそうかなと思いました。

演劇は無事終わり、その旨をフォルに報告します。まだ元気があるように見えたフォルですが、もう何かをできるような体力は残っていないと自分の最期のことをソフィアたちに告げます。

なんかもちもちしてるイザベラソフィアの演技が可愛かったです。アリシアは悪役令嬢の闇と、ヒロインの真っ直ぐなところが合わさって最強の登場人物になっていましたね。一番の迫真の演技でした。

ソフィアは以前シリルに「どんなことでも一つだけ願いをかなえる」という約束を使い、シリルフォルを助けてほしいと頼みます。

ソフィアは自分のためでなく、親友のフォルのために一度だけの権利を使いました。それがどれだけフォルを大切に想っているかが分かりますね。

フォルの教育係の正体はトリスタンであり、さらにトリスタンは前世の姉だったのです。

そういえば初めにこのゲームを勧めたのは姉だというコマがありましたね。あと所々でめちゃくちゃ悪人顔するから少しだけ敵なのかと思いましたよ。姉って判明した時もなんか笑ってるし!怖い!

トリスタンが探していたのは転生前の世界でありふれていた魔術の知識を持つ転生者でした。

その為シリルに魔術知識の探りを入れましたが、その必要もなく転生者の正体が弟だと気づきました。

トリスタンはなぜ転生者の正体が弟だと気づいたのでしょうか。転生者であることは気づけても、弟であるという点については、思い当たる点はなかったと思うのですが…?

シリルトリスタンの正体を、フォルのダンスの癖がシリルに似ていたこと、フォルを自発的に救わせようとする性格、クロエにかまをかけ教育者が男性であることが発覚したことから気づいていました。

ダンスの癖から姉だと気づいたとありましたが、二人とも前世でダンス得意過ぎませんか。てっきりシリルは今世で努力して身に着けたものだと思っていました。

トリスタンが転生者を探していた理由は、自分たちに魔力放出の技術がないからでした。

なぜ同じ世界から転生してきたトリスタンはありふれた魔術だと言われている魔力放出のやり方を知らなかったのでしょうか。グレイブが魔力放出を未知の技術だと知らせなかったことも気になりますね!

ソフィアに教えた魔力放出のやり方をソフィアからフォルに教えることになり、その前にシリルフォルの魔力を抜くことでとりあえず症状を和らげました。

ソフィアフォルに魔力放出が可能だという事を見せるためだったのか、フォル達の前で魔力過給症になってしまいます。

ソフィアが意図せず魔力過給症になった理由は、ソフィアの父親「グレイブ」がシリルに「目立ちすぎるな」と忠告をしたからでした。

ソフィアはだんだんと魔力過給症になる頻度が増えてきているように思うのですが大丈夫なのでしょうか。

実はソフィアは2年前からシリルを婚約者にするため、シリルを上位貴族にする計画をグレイブに認めさせていました。その計画の約束と話が違っていたため、ソフィアは魔力過給症を起こしていたのでした。

ソフィアシリルに秘密にしていることはこの計画のことだったのですね。10歳で綿密なプラン、数多の未知の技術の知識を賭ける頭脳を考えると、ソフィアのスペックは驚くほど高性能ですね。

グレイブシリルに忠告した理由は、ソフィアの計画が達成できても、グレイブの計画に支障が出てしまうからでした。

グレイブソフィアシリルを上位貴族にする約束は必ず守ると言いました。

グレイブは「貴族位を与える約束は」守ると言いましたが、婚約者にする約束は守ると言っていませんでしたね…。グレイブの計画ではソフィアの婚約者のこともすでに決めているという事ですかね…。

過剰分の魔力を放出したフォルは一晩で回復し、2日目からは予定通りの配役で演劇が公表され、文化祭最優秀賞に選ばれ幕を閉じました。

その後王城でのパーティ会場にて、ソフィアからフォルを救ってくれた事、シリルのおかげでアルフォースアリシアと友達になれたことに感謝されます。

シリルは「お嬢様の願いをかなえただけです」と言い、ソフィアはさらに「自分の恋をかなえてほしいとお願いしたら、あなたはかなえてくれるのですか?」と問い、それに対してシリルは「その答えを知りたいのですか?」と問い返しますが、ソフィアは「その答えはいつか自分で確かめます」と答えるのでした。

まさかここで終わってしまうとは!これからの展開を楽しみにしていたのですが…。主人公たちが12歳と言う若さで漫画が終わってしまうのは予想外でした。グレイブの計画も判明していませんし(魔力過給症の対処法を未知の技術だと教えなかったこと、ソフィアの婚約者のこと)個人的にはスッキリしない終わり方でした。

とても楽しみにしていた漫画だっただけに、完結してしまったことがとても残念です。

6巻レビューについて

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【過労死フラグクラッシュ】悪役令嬢、ブラコンにジョブチェンジします 2巻【転生系漫画】

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「悪役令嬢、ブラコンにジョブチェンジします」の2巻レビューです。

エカテリーナは、かつてゲームで操作していたヒロインが「他人」として行動しているのを見て、頭と体が乖離し、倒れてしまいました。

まだ上手く利奈エカテリーナの融合ができていないみたいですね。おそらく倒れた時、近くにヒロインがまだ居たと思うのですが、特に何もなかったのでしょうか。

エカテリーナアレクセイから3日間安静に過ごすことを条件に、学園に通ってよいと言われたので、大人しく安静にしていることにしました。

環境が変わるとまだ不安定とのことでしたが、逆に考えると普通に生活していくうえでは問題ない位にはなったのでしょうか。エカテリーナの母も病弱だったので、それを濃く受け継いでいないか心配ですね。

このままエカテリーナは休学していれば、平民落ちの破滅フラグは回避できても、皇国滅亡フラグが残っているので、休学して学園を離れるわけにはいきませんでした。

何気に、「兄を救う事」、「自分が断罪されないこと」の2つだけでなく、「皇国が滅亡しないこと」という3つになっていますよね。かなり大変だ…。

3日後、エカテリーナは教室に入りますが、その際「在校生代表公爵閣下」であるアレクセイが過保護なほど心配していたため、周りからドン引きされますが、とりあえずヒロインである「フローラ・チェルニー」だけには挨拶しておいたのでした。

超絶箱入りお嬢様が入ってきた!と思われているでしょうね。フローラが普通に挨拶返してくれたのがすごいくらいのインパクトのある入場でしたね。

今月下旬に魔力制御の実技授業があり、ここで発生するゲームのイベントをヒロインがクリアできなければ皇国は滅んでいたので、その対策をすることにしました。

こんな早い段階で皇国滅亡の危機が来てしまうんですか!?ヒロインが魔力制御できなかっただけで、なぜ滅亡するのでしょうか。不思議です。

ゲームでのエカテリーナの取り巻き「ソイヤトリオ」から逃げ切るために、アレクセイに頼ろうといます。

アレクセイは学園でも執務室で仕事をしており、くだらない理由に付き合わせるなんて…と思ったため、急遽一緒に昼食をとることに変更しました。

アレクセイのことを大切に思っているシーンでしたね。なるべく無駄な労力をかけさせたくないという健気な想いはしっかり伝わりました。

アレクセイは食べ盛りに年頃なのに、食への興味がないようだったので、アレクセイの為に料理にチャレンジすることにしました。

この世界の調理器具は前世と全く違うため、前世で料理をしていた経験はありますが、エカテリーナには知識も経験もなかったため、ヒロインのフローラに教えてもらうことにしました。

料理しないんで分からないんですが、やっぱり調理器具が違うと料理ってできないもんなんですかね。まあこの場合は世界から違いますから例外中の例外なのかもしれませんが。

フローラエカテリーナと同じく7か月前に母親を亡くしており、学園でいじめられて辛い思いをしているフローラと仲良くなることにしました。

「破滅フラグ対策」は変更になりましたが、皇子にさえ近づかなければ破滅フラグは問題ないはず!と考えたのでした。

フローラは苦労人で優しい子でしたね。てっきりこっちも転生者だったらどうしようと考えていたのですが、その可能性はほとんどなさそうですね!エカテリーナも自身の破滅が関わっているのにもかかわらず、仲良くしようと思ったのは人間的にできてるなと思いました。

エカテリーナは作った料理を執務室に居る兄とそのほかの人に配ったのですが、好評を貰い、感謝されるのでした。

フローラと仲良く歩いていると、突然ミハイル皇子に話しかけられます。これはゲームのイベントであり、「ヒロインが自作の昼食を持って歩く姿に興味を持ち話しかけてきて、それからたびたび皇子に差し入れして親しくなる」というものでした。

しかし、公爵令嬢の自分がいたため、身分の低い男爵令嬢のフローラには話しかけていない状況を何とかするため、強引にミハイルフローラを紹介し、差し入れをさせることでイベントをクリアするのでした。

ミハイルエカテリーナの分のパンも食べようとしたことを考えると、やはりフローラの言う通り、ミハイルの想い先はエカテリーナっぽいですね。

この出来事からやはりゲームの法則のようなものは強力に存在しており、破滅フラグも皇国滅亡フラグもすぐそこにあることが分かりました。

お似合いなミハイル皇子フローラの恋を応援するため、対策の内容を再変更することにしました。

エカテリーナの応援は空回りに終わりそうですね。フローラミハイルがくっつかなかったら問題は起きないのでしょうか?

フローラと共に執務室へ向かうと、そこには祖父の親友だった「バルタザール・フォルリ」が居ました。

フォルリ玄竜の存在を確認し、玄竜が現れた理由は、人間が森の伐採によって魔獣の生息地を侵すことになったのが原因だと言います。

玄竜は皇国滅亡ルートのラスボスの可能性があり、想像通りなら玄竜のゲームでの名前は「魔竜王ウラドフォーレン」という隠し攻略キャラのはずでした。

エカテリーナは、玄竜ルートはアレクセイが出ないと知って攻略方法に目を通しもしなかったのですが、この森林破壊の件をなんとかしたら皇国滅亡ルートを折ることに繫がるかもと考えました。

玄竜は隠し攻略キャラで利奈は全くその攻略方法を知らないという事でしたが、確かにこの件が解決して片付けば、玄竜側に攻める理由がなくなるので滅亡ルートにはいかなそうですよね!

エカテリーナは木の伐採の後、植林をすることで、玄竜に住処である森をすべて奪うつもりはないと示し、玄竜を宥められるか試してはどうかと提案します。

最近はよく新聞とかで植林の記事を見たことがあった気がします。確かに育つのに何十年とかかりますが、環境を守るためにはかならずやらなければならないことですよね。

その後、フローラは自分が庶民の生まれだとアレクセイ達に話し、ユールノヴァが笑われないためにも、アレクセイに、「私がエカテリーナにふさわしくないと考えているのならおっしゃってください。」と言います。

それに対してアレクセイは、エカテリーナに公爵令嬢として本来あるべき在り方を学んでほしいと思っていると言うのでした。(つまりふさわしくないと言っている)

アレクセイは身分にふさわしい振る舞いや考え方を身に着けることは、自分の身を守るために大切なことだと諭しますが、エカテリーナは身分が違うから相手を軽んじるのは、自分たちを虐げた祖母と同じだと言いました。

ミハイルエカテリーナのそんな身分を気にしないところに惹かれたんだと思うのですが、公爵令嬢としてのあるべき在り方とはいったい何でしょうか。抽象的過ぎてよく分かりませんが、ドロドロした世界から身を守るためとのことでしたが、むしろ身分が違っても気の合う友人とさえ過ごせれば、少なくとも学園に通っている間はアレクセイにとっても安心だと思ったのですが…。

1巻レビューについて

3巻レビューについて

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【過労死フラグクラッシュ】悪役令嬢、ブラコンにジョブチェンジします 1巻【転生系漫画】


今回紹介するのは「悪役令嬢、ブラコンにジョブチェンジします」です。

ブラック企業勤めのアラサー会社員「雪村利奈」が乙女ゲームの悪役令嬢「エカテリーナ・ユールノヴァ」として生まれ変わりました。

エカテリーナは病弱であり、倒れてしまうことが多々ありました。

そんなエカテリーナを心配する唯一の家族、エカテリーナの兄「アレクセイ・ユールノヴァ」は利奈の推しキャラでした。

アレクセイは17歳にして公爵家の当主であり、「学生兼総合商社社長兼県知事」という超絶激務を担っていました。

そんな「アレクセイを過労死から救うこと」と自分の「悪役令嬢として断罪される破滅フラグを折ること」を目的に生きていきます。

アレクセイエカテリーナを過剰に心配する理由は、祖父の後継ぎとして、祖母から虐げられていた母と妹のエカテリーナを守ることができなかったからでした。

エカテリーナミハイル皇子と同じ15歳で身分も皇后を狙うには十分な立場でしたが、破滅フラグを回避するために「皇室と関わらない」とアレクセイに告げ、アレクセイは償いとしてエカテリーナの望みなら何でも叶えることにしたのでした。

良かった点

①転生しても精神年齢はちゃんとアラサーのまま

転生モノはたまに精神年齢まで若返ってしまい、本来年下である攻略対象に目が行きがちなのですが、エカテリーナは攻略対象ではなくさらに(転生した年齢の)年上のアレクセイに惹かれるところが違和感なく読めたので良かったです。

②目的が破滅阻止だけではない

悪役令嬢漫画はほとんど「自分が断罪されることを防ぐ」為だけに行動しますが、エカテリーナはそれに加えて「兄の過労死を防ぐ」といった別の目的があることによって物語の幅が広がると思うので興味を惹かれました。

気になる点

①アレクセイのエカテリーナ溺愛の理由に少し違和感がある

唯一の家族だから大切にするという理由は納得するのですが、幼いころから10年近く別居していた家族にここまで情を持つことがあるのか?と思いました。

2巻レビューについて

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【たくましすぎる主人公】ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~ 4巻【逆転系漫画】

ネタバレ注意


「ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~」の4巻レビューです。

玲琳慧月の元へたどり着き、慧月絹秀が倒れたことを伝えます。

玲琳はもう一度破魔の矢を使うため、入れ替わりを解消するように頼みますが、神器の管轄である玄家の人間の鷲官長に引いてもらったほうが良いのではと言われます。

全く持ってその通りな正論をぶつけられ、恥ずかしがる玲琳が可愛かったです。でもこの後、破魔の矢の弦が切れてしまうから玲琳に轢かせるのが正解だったんですよね。

さらに慧月は破魔の矢で弓を引いて呪いを散らすのは、甘い対処だと言います。

慧月貴妃を呪い返すことにしましたが、蠱毒を作るまで数日かかってしまいます。

呪い返しを提案した慧月に変なところで逞しいと言っていた玲琳でしたが、臆病だと言ったのにもなかなか厳しい評価だなと笑ってしまいました。それに対し反応しなかった慧月もすごいですね。まあそれどころの事態じゃなかったからかもしれませんが。

しかし、以前玲琳がネズミの餌にしようと、莉莉がくれた全ての虫を同じ壺に保管していた結果、壺の中のムカデが他の虫をすべて捕食していたため、意図せず蠱毒が出来上がっていたのでした。

莉莉がくれたというより嫌がらせで渡してきたやつですよね、これ。ネズミってめちゃくちゃ不衛生な気がするんですが、そこは全く気にしないんですね。何のために生き残ったムカデを飼っていたのかも謎ですね(まあ離されたら離されたで困るんですが笑)。

慧月は道術を使って贄(ムカデ)を殺そうとしますが、呪いが失敗した場合、入れ替わりに関係なく、慧月の魂に返ってくるといいます。

呪いを半分にするため、いぅしょに短刀を振り落とそうとした時、貴妃が来てしまいます。

ぷんこぷんこ怒ったり、輝かしいことをしたいと思った慧月、めちゃ可愛かったですね。これってツンデレっ子ですよね。まあ無理やり玲琳によって病みからツンデレにされたようなものですが。

莉莉を誑かした雅容の正体は貴妃でありました。玲琳莉莉を庇い貴妃に人質にされてしまいます。

58ページの貴妃の笑顔KOEEEEEEE!!目が完全にイっちゃってますよねこれ…。

そのため慧月はムカデを逃がし、玲琳を解放させるのですが、玲琳が足元に近寄ってきたムカデを踏みつぶし、油断していた貴妃を倒すことで呪い返しは成功しました。

ムカデを的確に踏みつぶし、貴妃を倒すという難題をワンアクションでやってのけた玲琳。か弱かったころの彼女はもういない!

貴妃慧月達を殺そうと襲い掛かってきますが、間一髪、尭明と鷲官長が到着し、貴妃を押さえることができたのでした。

尭明は悲しみにより龍気を乱し天候を荒らしていたため、玲琳尭明をなだめます。

先生、また尭明が余計なことしてます!自分の気持ちはとりあえず置いておいて、まずは朱貴妃とこの場を何とかするのが、優先でしょうに。でも「皇太子」として、部下たちに速やかに指示をしていたところは優秀でしたね!

玲琳は償いたいと言う尭明に、「慧月を見逃すこと」「貴妃への罰は絹秀の意向を優先すること」そして最後に「これからもたびたび入れ替わることを許す」ということを条件にしたのでした。

玲琳は結局誰にも敵を抱きませんでしたね。いつも目の前の人を助けるという感じで後手ではありましたが、その対応は完璧でした。

絹秀玲琳の2人を蠱毒により害した貴妃は流刑に処され、慧月は7日間の謹慎、他朱家の人間は無罪と、絹秀から破格に寛大な処遇を与えられました。

絹秀貴妃に「心底お前に幸せになってほしかった」と伝え、かつて「離れていても、お前を想い、自分の代わりにこの武器でもって、守り続けて見せる」と20年前と同じように武器(破魔の矢)を渡すことで、貴妃は牢に閉じ込められはすれども、心は晴れるのでした。

20年前も武器を渡したときに、貴妃に「敵意の表れですか?」と言われ、「お前を守るため」という場面の再現は心にグッときました。やはり大戦犯は金淑妃でしょうね。

尭明はそれから頻繁に黄麒宮と朱駒宮を訪れ、入れ替わりを見極めようとしています。

一方玲琳達は、周りを乱しながらも入れ替わりを楽しんでいたのでした。

最後に仲良くしている玲琳慧月を見られて幸せでした。この二人相性がいいですよね!対等に接することの友人。20年前の絹秀貴妃のような固い友情がいつまでも続けばいいなと思いました。

玲琳の兄「黄 景行(けいこう)」と「黄 景彰(けいしょう)」が現れますが…?

3巻レビューについて

5巻レビューについて

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【たくましすぎる主人公】ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~ 3巻【逆転系漫画】

ネタバレ注意


「ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~」の3巻レビューです。

慧月の父親は慧月を置いてどこかへ行ってしまい、母親は最初は慧月をいたぶっていましたが、両方とも借金をしてしまいその対応に追われ、慧月は徹底的に放置されました。

慧月は温もりを求め炎と会話するうちに、道術を完全に習得しました。同時に両親が二人とも自殺してしまいました。

そこへ声をかけたのが朱貴妃でしたが、「道術で玲琳と入れ替わればよかったのに」と言われた為、入れ替わりを行ったのでした。

貴妃は何のために慧月に声をかけたのでしょうか。最初から道術で玲琳と入れ替わることができることを知っていたからなのでしょうか。あまりにも慧月が不憫すぎます…。

慧月は病に苦しんでいましたが、玲琳の破魔の矢により、一命をとりとめました。

しかし、冬雪に正体がばれてしまい詰められますが、正体を見破れず罵った主人に駆け寄って詫びるべきと言い冬雪を退けました。

慧月は何故気力も知識もない自分が生き延びたのか、病が破魔の矢の弦音で癒えたのかを疑問に思います。

実は慧月が苦しんでいたのは「病」ではなく、道術最大の禁術である蠱毒による「呪い」でした。

この禁術を慧月以外に正確に把握している人物は、朱貴妃ただ一人でした。

道術を慧月から会得するためだけに声をかけただけでは飽き足らず、その道術を使って慧月を殺そうとするとは…。貴妃は少し怪しいなと思っていましたが、ここまで冷酷な人物だとは思いませんでした。慧月貴妃を心から信頼していたから禁術を教えたはずなのに、それを裏切るとは言語道断ですね。

冬雪慧月をいたぶる気でいましたが、玲琳は以前冬雪に自分のことを気付かなかったことを盾に、「慧月への攻撃と自害、黄麒宮を辞すること、殿下や陛下に事実を告げること」を禁ずることで償わせるのでした。

上手い償いのさせ方でしたね。もとより玲琳慧月に対して恨み返していることなどないことは分かり切っていましたが、事実を公表せず、体を返すことは出来るのでしょうか。入れ替わりがばれてしまうのは時間の問題ですよね。

玲琳の回復を祝う茶会で、絹秀はかつて雛女だった時の話をします。絹秀貴妃は固い友情で結ばれていました。

貴妃はただ素直に絹秀のことを思いながら心配しており、絹秀もまた不器用ながらも貴妃のことを大切に思っているという純粋な友情関係ですね!

貴妃は当時「殿下の芙蓉」と呼ばれて殿下から寵愛を受けており、だれもが皇后になると思われていました。

しかし、皇太子弦耀は伝染病を患ってしまい、雛女たちは各宮にて禁足をしていましたが、絹秀だけは感染を恐れず看病をし続けました。その為、絹秀は皇后に選ばれました。

絹秀は男らしく勇敢で、それでいて丁寧さも持ち合わせた有能な女性ですね。4夫人の序列に拘らず「皇后にならなってもいい」という執着がない生き方こそが皇后になる素質だったのでしょう。

20年前、絹秀貴妃は同時期に妊娠しましたが、絹秀の子「尭明」は生まれましたが、貴妃の皇子は死産してしまいました。

その事を口にした金淑妃により、絹秀は茶会を散会させます。貴妃に自分のためかと問われますが、絹秀はなんのことだと誤魔化します。

貴妃が去り、絹秀玲琳のもとに訪ねようとした時、謎の胸の痛みにより、絹秀は倒れてしまいます。

大体、金淑妃のせい。内輪を乱す人ってなぜかどこにでもいますよね。貴妃絹秀への殺意まで抱かせた罪は重すぎますよ…。

玲琳が目を覚ますと鷲官長が見舞いに来ます。鷲官長にお前は何者だと詰められるもなんとか躱すことができました。

「突然、美しくなれるものだろうか」って半ば告白しているようなものですよね。それからの急接近(物理)のコンボはやばすぎます。それを「ごめんあそばせ!」の頭突き一つで乗り切った玲琳も面白かったです。ずっとそうですが、やはりこの子はまぎれもないパワータイプですよね笑。

玲琳慧月と話したいと思うと、道術で慧月が現れました。慧月は自分が消えてしまかったことを、玲琳に憧れていたことを告げます。

さらに入れ替わりと病を仕組んだのは朱貴妃であることを伝えます。貴妃の目的は、宮内の衛生管理に関して有能な玲琳を殺し、蠱毒により絹秀を殺すことでした。

自分を殺してもいいというほど玲琳に憧れ、罪を認め謝れる。慧月はただ踊らされただけのかわいそうな女の子で、実は一番悲惨なポジションにいますよね。入れ替わり後も病で倒れるし…。

1巻で貴妃は虫すらも殺さないようにしているとありましたが、蠱毒を使うためだったのでしょうか…。怖すぎる!!

会話の途中、尭明が来たので急いで火を消し会話を終えます。

尭明は紫龍泉で汲んできた傷をいやす水を渡しに来たのでした。その途中で絹秀が倒れたと鷲官長から知らされます。

玲琳はこれが呪いのせいであり、もう一度破魔の弓を引かせるように頼みますが、尭明に破魔の弓を使う事を認められませんでした。玲琳(慧月)は自分のことを3度も信じてくれなかった尭明に失望し、罰は受けるからと絹秀の元へ向かうのでした。

尭明に失望した玲琳の表情やばかったですね。あんなに明るく誰にでも好意的な玲琳があんな表情するんだ…と心がざわつくコマでした。

尭明はすれ違う際、真実を映す紫龍泉の水面に映ったのは、慧月ではなく玲琳だったことに気が付き、入れ替わりに気づいたのでした。

さすがに遅すぎた!もうこれはダメかもわからんね。こっから尭明玲琳からの信頼と好意を取り戻すにはかなりの無理を通さないといけませんよね~。ご愁傷様です…。

玲琳はひとまず絹秀の様子を確認し、慧月の元へ向かうのでした。

2巻レビューについて

4巻レビューについて