ネタバレ注意
「悪役令嬢は夜告鳥をめざす」の2巻レビューです。
ギルベルトはリーゼリットが国の未来のためにヘネシー卿やレスター先生が必要なのは分かったが、普通なら破断ものの醜聞なのでほどほどにしてくれと言います。
忙しい中来てくれて感謝しているとリーゼリットが言ったので、ギルベルトは「少しは労ってみろ」とリーゼリットに膝枕をさせます。
前世で喪女だったリーゼリットが王子に膝枕をするとはすごい進化ぶりですね。(本人は慣れない様子でしたが。)二人とも容姿が良いので良い絵になりますね!
そんな中セドリックが来て、リーゼリットに婚約者(王子)がいることが分かり、さらにギルベルトがリーゼリットを抱き寄せたことで、威嚇されるのでした。
セドリックは婚約者がいることが分かったので、リーゼリットのことを諦めるのでしょうか。ギルベルトがリーゼリットを抱き寄せた時、かなり反抗的な表情をしていたのでまだあきらめていないかも知れませんね。仮にも王族に敵意を向けるのは結構やりますね…。
その後セドリックは父に専門医になることを許可され、勘当もなくなったため「ペニシリン」の開発に着手することにしました。
ペニシリンは乙女ゲームではヒロインが、原作小説では前世が医者の主人公が共同研究者と開発した薬であり、その開発者がセドリックであることが分かりました。
ペニシリンを作れない代わりに色んな行動をしていたリーゼリットは、自分の行動が一歩づつ確実に結果につながっていることに喜ぶのでした。
ペニシリンは主人公と共同開発をしていたという事ですが、単独でも作れるようになるんでしょうか。それともどこかでリーゼリットが力になるのでしょうか。小説通りペニシリンを選んだのにも何か理由があるのでしょうか、気になることがたくさん出てきましたね。
国王「ロディウス・フォン・クライスラー」との謁見に呼ばれたリーゼリット。ロディウスはリーゼリットがギルベルトの名を借りて行動していることについてどういうことかと問います。
大きいプレッシャーの中でしたが、ここで効果実証の許可を取り下げられるわけにはいかないので、今後も撤回するつもりはないと言いました。
下手したら自分たちの首が飛ぶかもしれないという中でも、国のために引かなかったリーゼリットは数ある主人公の中でもかなりの人格者ですね。
もう一つの話で、ファルスの命を救ったのはリーゼリットではないかと聞かれます。ロディウスがそう思った理由は「ギルベルトがリーゼリットの意に従っていること」と「エレノアがフォルスを助けたのが『自分ではない』と言った」からでした。
ロディウスはまだこのことは秘密にしているが、いずれフォルスの耳に入るから、将来のために王太子妃の選定は早いほうが良いとリーゼリットに言いますが、王妃になりたくないリーゼリットはファルスを救ったのが自分だとばれないように振る舞います。
しかし、事故の時に居たクレイヴという男を呼ばれ、それに反応したためファルスを救ったのはリーゼリットであるとばれてしまったのでした。
エレノアはどのタイミングで、王にファルスを救ったのは自分じゃないと言ったのでしょうか。ファルスが自分(エレノア)を命を救った人だと勘違いしているということが分かったら、身を引きそうなものですが、誠実なのかそうでないのかいまいちよくわからないですね。
ロディウスは企画書の内容次第で国王の名を冠することを認めると言います。
しかしまずは一か月内でファルスを救った方法を騎士団と各病院に根付かせることを条件としたのでした。
はたして一か月で条件をかなえられるのでしょうか。ロディウスも息子を救ってくれたことを鑑みてもう少し猶予を設けたれよ!と思いましたが…。
クレイヴから城内の案内をされている中、ファルスとエレノアに会います。
二人は気球に乗ってデートをするところで、リーゼリットはファルスにギルベルトと一緒にと気球に乗ろうと言われました。
先ほども書きましたが、普通に王族デートを満喫しているエレノアにどうしても違和感を感じてしまいます。まあリーゼリットはそのほうが助かるので物語的には良いことなのですが、なんだかモヤモヤしてしまいます(;´Д`)。
途中で気球が何かにぶつかり墜落してしまいます。
ギルベルトが守ってくれたおかげで無事でしたが、気球のバーナーの火が球皮に燃え移ってしまいます。
気球に乗るのに脱出対策してないのかい!と突っ込んでしまいました。一市民なら分かりますが、乗っているのは王族、しかも第一王子と第二王子ですよね!?
ギルベルトの見せ場ですね。ちょろイケメンに書かれていましたが、ここは攻略対象らしくかなりの高スペックぶりを発揮しています。「おまえのことは絶対に守る」というセリフ、状況が完璧でこれはみんな堕ちるだろと思いました笑。
なんとか脱出できましたが、ファルスが倒れてしまいました。その原因は以前胸骨圧迫をした際に肋骨が折れたからでした。
リーゼリットはエレノアに布を借り、枝を使い簡易リストバンドを作ることでファルスの胸の痛みを和らげることに成功しました。
肋骨が折れていたのに普通に生活していたファルスすごいですね。普通は立っているのもしんどいんじゃないですかね?ひどい骨折をしたことがないので分かりませんが。
ギルベルトがやっとこの役目を終えられると言ってましたが、もともとそのつもりでリーゼリットと婚約してやるといって確保していたのでしょうか。気球の中でファルスはギルベルトはたった一人の弟だから幸せになってほしいと言っていましたが、ギルベルトもまた同じことを思っていますよね。王族の兄弟で仲がいいパターンは珍しくていいなと思いました。大体後継者争いがあるので…。
リーゼリットはセドリックの元を訪れます。二人は気晴らしに庭に出ますが、リーゼリットが虫に驚き、池に落ちてしまいそれを助けようとしたセドリックも一緒に池に落ちてしまったのでした。
研究で疲れたところに濡れてしまい、セドリックは風邪を引いてしまいました。
風邪で寝込むセドリックのためにミルクプリンを作ったリーゼリットでしたが、ゼラチンを固まらせて作るという発想のおかげで、菌を固めて取り除くという方法を思いついたのでした。
リーゼリットの瞳模様ってコマによって結構ちがいますよね。こういう細かいところがよく書き分けられていて面白いなと思いました。
レスターの授業を受けるリーゼリットでしたが、なぜかそこにはギルベルトと護衛のカイルが居ました。
レスターはリーゼリットへの気持ちを抑えるために鎮静効果のあるカモミールとカイルに制止を頼んでいたのでした。
レスターはちゃんとリーゼリットに対して、自分の気持ちをぶつけないようにちゃんと考えていたのですね。割と危険なキャラだと思っていましたが、このシーンで個人的に大きく株が上がりました。というかむしろかわいそう…。
ギルベルトにセドリックの家に泊まり、さらに清拭を試したことを詰められます。次にヘネシー卿の元へ行く際はついていくと言われるのでした。
リーゼリットはギルベルトになぜ自分と婚約しようと思ったのかと聞きます。
それに対してギルベルトはリーゼリットの望むようにしてやりたい、お前のことをもっと知りたいと思ったから、兄を助けてくれたことに感謝しているからと答えたのでした。
リーゼリットはそれだけの理由で婚約までする?と思い、自分の容姿が好みだったりするのかと冗談で聞きますが、逆にギルベルトは自分の赤い目をどう思っているか聞くのでした。
それだけの理由というには十分すぎる理由な気がしますが。気になっていた子が身内を助けたとあれば結婚するのも不思議ではないでしょう。
ギルベルトの赤い目は、凶兆、不貞の子などと言われ、出生後はしばらく存在を秘匿され3年前まで城の外れにある離宮で育てられていました。
両親が離宮に来たことは一度もなく、会いに来てくれたのは兄のファルスだけでした。ファルスは肉親の情を与えてくれて、さらにギルベルトの容姿は突発的に生まれるものだと証明してくれたのでした。
ファルスのおかげで王族の一員となれたギルベルトは、ファルスが事故で死にかけた時、何も返せてないことを後悔していましたが、その時ファルスを救ってくれた事をリーゼリットに感謝しました。
ギルベルトはそんな自分のことを評価してくれるリーゼリットこそがファルスに相応しいと思い、リーゼリットは自分の存在がギルベルトの支えになればいいなと思うのでした。
このすれ違いはかなり悲しいことになりそうですね。ギルベルトの中でリーゼリットの評価が上がれば上がるほど離れていこうと思ってしまい、リーゼリットはそんな兄想いなギルベルトを見れば見るほど支えたくなるという、決して交わることのない関係にすごいもどかしさを感じました。
続きが気になるようで、この先の展開が辛いものになりそうで見るのが怖いです。でも絶対読みます!