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悪夢令嬢は一家滅亡の夢を見た ~私の目的は生き延びることです~ 1巻 レビュー


今回紹介するのは「悪夢令嬢は一家滅亡の夢を見た ~私の目的は生き延びることです~」です。

この作品は、「悪役令嬢が没落にあらがう系」で、「主人公の悪役令嬢がチート能力を持っていない」、「暗い話」という話が好きな方にオススメできる作品です。

ファリティナ・グランキエース」は、夢で、とある令嬢への嫌がらせ(冤罪)と、血の繫がっていない後妻の罪により、婚約破棄と処刑を言い渡されます。

その悪夢はとてもただの夢だとは思えず、恐怖を覚えます。

ファリティナには姉弟が居ましたが、長女の自分以外は、全員後妻から生まれてきた子であり、自分の今の家族にファリティナを愛してくれる人がいないことに気づきました。

そんな中、弟の中に、体が弱い末っ子の「ジェミニ」がいたことを思い出します。

ファリティナは自分と同じで、愛してくれる存在がいないジェミニを愛おしく思いました。

ジェミニと触れ合うことで、ファリティナは、自分が求めていたのは「誰かに望まれる」ことだと気づきました。

ファリティナは、愛情を受けなかった哀れな姉弟たちの中で、せめてジェミニだけには「望まれてここに生きた」と思ってもらうために愛を注ぐ事にしました。

それが、悪夢を見たファリティナの生きるただ一つの目的(願い)になりました。

というのが導入部分です。

良かった点

①キャラ絵が個人的に好み

明るい表情や暗い表情、そしてキャラごとの細かい部分が繊細に描かれていて、見るだけでも楽しかったです。

②優先順位の一番が自分でなくてジェミニだということ

悪夢を見たことによって、婚約破棄からの投獄や一家滅亡を防ぐことも大切な目的でしたが、それよりも一番はジェミニに幸せになってほしいという暖かな目的があり、この厳しい舞台の中で、どう立ち回っていくかが楽しみです。

③ファリティナの頭の良さ

ただ周りに味方を作り、助けてもらうだけじゃなく、自分で考え、足を運び、ジェミニを守るために賢く行動するのが見ていて気持ち良かったです。

悪夢により、第二王子「ギデオン」への恋愛感情も冷め、アマンダと言う令嬢とギデオンが堂々と仲睦まじくしていても、未練のようなものが残ってなかったのも良い点でした。

気になる点

①キャラ絵が少し変わっているので苦手な方がいるかも

良かった点に書いたように、私はこの絵が好みなのですが、柔らかい絵というよりは固めの絵と表現できるような感じなので、試し読みなどでキャラ絵だけでも確認してからが良いと思われます。

②人(キャラ)の悪意が良くみえる漫画

心温まる愛情のシーンもありますが、ほとんどが貴族間の黒い感情のやりとり、という印象を受けたので、明るく逆転していくという展開が読みたい!という人向けではないかなと思いました。

2巻の感想について

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転生侯爵令嬢奮闘記 わたし、立派にざまぁされて見せます! 1巻 レビュー


今回紹介するのは「転生侯爵令嬢奮闘記 わたし、立派にざまぁされて見せます!」です。

お金持ちの侯爵令嬢「ユリアンヌ・ゲッスール」は、婚約者である「アルフレッド」に半年も会ってもらえていませんでした。

ユリアンヌは、ゲッスール家が寄付金により王国を救った事実から、自分こそが一番と思っていて、ワガママで丸々と太っていました。

そんなユリアンヌを見て、義弟である「カイル」から、「アルフレッド様は義姉さんと婚約破棄したいんじゃないか」という噂を聞かされます。

バカにされたユリアンヌカイルにつかみかかろうとするも、滑って地面に頭をぶつけてしまいます。

そのショックで、前世は両親もいなく、治る見込みのない難病を患い、死んでしまったことを思い出します。

前世を思い出したことで、自分はお金でも欲しいわけでもなく、贅沢したいわけでもなく、ただ寂しかったということに気づきます。

妹からアルフレッドの婚約者の座を奪ったり、義弟を金の力で分家から無理やり連れてきたり、さらに二人の容姿が美しいからと、嫉妬でキツくあたったりしたことを思い返し、ユリアンヌは自分がファンタジー小説の悪役令嬢そのものだと気づきます。

領民に重税を課せていたことで、クーデターの動きが出てるとカイルから忠告された通り、自分のせいで一族が断罪されてしまうのではと危惧します。

何も悪くないサーシャカイル、そしてゲスだが自分を可愛がってくれている親を死なせて後悔しないように、自分が「ざまぁ」された後でも、家族は幸せになってもらうように計画を立てます。

こうして、元悪役令嬢ユリアンヌによる罪滅ぼしが始まりました。

ユリアンヌは新事業を始めたり、節制をすることで、ゲッスール家「節約計画」もとい「金儲け計画」を始めます。

中身も見た目も変わったユリアンヌ、義弟と妹と徐々に関係を取り戻したり、婚約者のアルフレッドの思惑など、この先も面白い展開が満載です!

良かった点

①家族仲が大事というテーマ

ユリアンヌの最終目標が「家族を幸せにする」ことなのが、良かったです。義弟と妹とは仲が良くないが、憎み合ってるほどではなく、また父と母はユリアンヌサーシャをしっかり可愛がっているというところが、話の雰囲気を明るくしていて良かったです。

カイルの内容だけは結構悲惨ですが…。

②ところどころ笑わせてくる

そもそも名前が「ゲッスール」という時点でちょっと面白いのに、禿げてる父親のキャラに「ハゲーザー」とつけたり、太っている母親の名前も「デビュリア」とちょっと深読みできそうなのが笑いました。

ユリアンヌサーシャは普通の名前なのに…。祖父母がいかんかったんやな…。(カイルは義弟なのでノーカン)

③展開の速さ

ユリアンヌが、一巻の内に痩せて綺麗になるという話の速さに、もう少し内容が欲しかったという方もいらっしゃるかもしれませんが、”主人公が段々綺麗になっていく”という漫画を結構読んでいると、過程の話より、その先の展開のほうが面白い場合もあるので、これはこれで良いと思います。

④難しい話がない

領地経営改善のために出した新事業のことや、ユリアンヌが痩せた原因(お茶や運動)などについて、細かく難しい話はほとんどないので、楽にして読むことができたのが良かったです。

気になる点

①カイルとサーシャについて

ユリアンヌにあれだけ虐げられてきたのに、少し変わり始めてきたからといって、すぐ警戒を解いてしまうチョロさは気になりました。(話のテンポ的に仕方ないですが)

2巻の感想について

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雇われ悪役令嬢は国外追放をご所望です! 1巻 レビュー


今回紹介するのは「雇われ悪役令嬢は国外追放をご所望です!」です。

マイヤー家という商家に生まれた娘の「ヴァイオレット」は、ある目的の為に、王家直下の六大公爵家レイナード家の令嬢として社交界にデビューするお話です。

ヴァイオレットの目的とは、外国に渡り自分の見つけた商品に値段をつけることでしたが、兄がいたので家を継ぐことができませんでした。

ある時、マイヤー家に国王が直接押しかけてきました。国王は、今の社交界は看過できないレベルで王族の不平不満を語らう場になっていると言います。

そこで、社交の場を荒らし、貴族を分散させるために「悪役」を用意したいと言われます。貴族に年頃の娘を養子に出してその娘に「悪役」になってもらえたら、マイヤー商会に紹介料を払うと言います。

悪役」の娘には、最終的に国外追放することになるが、国外での生活を保障することと国外貴族に嫁がせることを約束すると言いました。

そのやり取りを陰で聞いていたヴァイオレットは、自分の夢である”国外で貿易業を営む権利を保障してもらう”ため、「雇われ悪役令嬢役」として立候補したのでした。

ヴァイオレットは、貴族の所作を身に付け、社交界で強烈なデビューを果たし、”蔓薔薇令嬢”と呼ばれて、王家批判を共有する社交録を目論見通りにヴァイオレットの話題に染めることができました。

しかし、何故か王子である「マティアス」に気に入られてしまい…?

良かった点

①自ら悪役を演じることを楽しんでいる/標的も用意したあらかじめ用意した人物なので罪悪感ナシ!

元々の性格が歪んでいるわけではなく、目的の為に悪役としてキツめに周囲に当たっているわけで、しかも標的はあらかじめ用意した協力者と王家批判をする人に絞っているので、読んでいて罪悪感を感じず、むしろ爽快感を感じられたところが良かったです。

②キャラの魅力が高かった

悪役令嬢として大暴れするヴァイオレット、女装した姿が可愛いアレン(アリス)、ゆったりとしたマイペースを貫くマティアスなど、他キャラの設定も私好みで読んでいて楽しかったです。

ヴァイオレットマティアスが目立ちすぎず、色んなキャラが出てくる話が読みたい方にはオススメです!

気になる点

①値段は安めだが、ページ数も少ない

楽天ブックスでは、660円と電子書籍の漫画にしてはかなり安めの値段ですが、100ページしかなかったので、個人的には800円くらいでもいいのでもっとページ数を増やしてほしかったです。

私は、内容が面白いので仕方ないか!と思いましたが笑

2巻の感想について

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【過労死フラグクラッシュ】悪役令嬢、ブラコンにジョブチェンジします 1巻 レビュー【転生系漫画】


今回紹介するのは「悪役令嬢、ブラコンにジョブチェンジします」です。

ブラック企業勤めのアラサー会社員「雪村利奈」が乙女ゲームの悪役令嬢「エカテリーナ・ユールノヴァ」として生まれ変わりました。

エカテリーナは病弱であり、倒れてしまうことが多々ありました。

そんなエカテリーナを心配する唯一の家族、エカテリーナの兄「アレクセイ・ユールノヴァ」は利奈の推しキャラでした。

アレクセイは17歳にして公爵家の当主であり、「学生兼総合商社社長兼県知事」という超絶激務を担っていました。

そんな「アレクセイを過労死から救うこと」と自分の「悪役令嬢として断罪される破滅フラグを折ること」を目的に生きていきます。

アレクセイエカテリーナを過剰に心配する理由は、祖父の後継ぎとして、祖母から虐げられていた母と妹のエカテリーナを守ることができなかったからでした。

エカテリーナミハイル皇子と同じ15歳で身分も皇后を狙うには十分な立場でしたが、破滅フラグを回避するために「皇室と関わらない」とアレクセイに告げ、アレクセイは償いとしてエカテリーナの望みなら何でも叶えることにしたのでした。

良かった点

①転生しても精神年齢はちゃんとアラサーのまま

転生モノはたまに精神年齢まで若返ってしまい、本来年下である攻略対象に目が行きがちなのですが、エカテリーナは攻略対象ではなくさらに(転生した年齢の)年上のアレクセイに惹かれるところが違和感なく読めたので良かったです。

②目的が破滅阻止だけではない

悪役令嬢漫画はほとんど「自分が断罪されることを防ぐ」為だけに行動しますが、エカテリーナはそれに加えて「兄の過労死を防ぐ」といった別の目的があることによって物語の幅が広がると思うので興味を惹かれました。

気になる点

①アレクセイのエカテリーナ溺愛の理由に少し違和感がある

唯一の家族だから大切にするという理由は納得するのですが、幼いころから10年近く別居していた家族にここまで情を持つことがあるのか?と思いました。

2巻レビューについて

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【たくましすぎる主人公】ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~ 1巻 レビュー【逆転系漫画】


今回紹介するのは「ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~」です。

雛宮と呼ばれる場所で選ばれた5家から尭明皇太子との相手、つまり次期妃を決める物語です。

主人公となるのは容姿、佇まいが優雅であると言われ、一番に皇太子からも他家からの女官からも寵愛を受けている「殿下の胡蝶」と呼ばれる「黄家」の雛女「黄 玲琳(こう れいりん)」です。

玲琳は、「雛宮のどぶねずみ」と呼ばれる「朱家」の雛女「朱 慧月(しゅ けいげつ)」から大きな嫉妬を買い、乞巧楼から突き落とされてしまいます。

その際、慧月は道術を使い、玲琳と体を入れ替われます。

玲琳は自分を殺害しようとした「大悪女」慧月として、愛される立場から一転、周りから侮られ冷遇される立場になってしまいました。

しかし、玲琳は絶望せず、むしろ玲琳の虚弱であった時の体ではなく、慧月の健康な体で過ごせることを喜ぶ「鋼の精神」で生きていきます。

事実上の処刑である「獣尋の儀」を乗り切り、廃棄された食糧庫に追放されても、玲琳慧月の自由に元気な体に喜びながら困難に立ち向かっていくというお話です。

良かった点

①慈愛の心を持ちながら無敵の精神を持つ魅力的な主人公

過ぎた欲を持たず、困難に臆せず立ち向かい、それでいて他人の心を想い測ることができるという、能力やスキルではない単純な性格のみでここまで強く凛とした人物を描けるところに感嘆しました。

仕草や言動も可愛らしく、心から応援できるキャラクターだった点も大いに評価できる点でした。

②慧月の人間らしい感情、純粋な悪ではないという点

慧月はもとから悪女だったわけではなく、両親や環境から周りから蔑まれたことにより、恵まれた立場の玲琳を嫉妬し恨んだという理由がありました。体が弱い玲琳とはつらく厳しい環境を生き抜いてきた慧月は行き過ぎた行為をしてしまいましたが、こうなってしまったということに十分理解できる状態でしたので、違和感なく読み進めることができました。

気になる点

①皇太子が玲琳に夢中すぎた

本来、皇太子が平等に接していればこのような事態にはならなかったのに、慧月を裁く権利があったのかと思いました。いくら怜琳が魅力的であっても他家の雛女にも好意的までとは言いませんが、丁重に接するべきだったのではないかと思いました。

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