今回紹介するのは「悪役令嬢、ブラコンにジョブチェンジします」です。
ブラック企業勤めのアラサー会社員「雪村利奈」が乙女ゲームの悪役令嬢「エカテリーナ・ユールノヴァ」として生まれ変わりました。
エカテリーナは病弱であり、倒れてしまうことが多々ありました。
そんなエカテリーナを心配する唯一の家族、エカテリーナの兄「アレクセイ・ユールノヴァ」は利奈の推しキャラでした。
アレクセイは17歳にして公爵家の当主であり、「学生兼総合商社社長兼県知事」という超絶激務を担っていました。
そんな「アレクセイを過労死から救うこと」と自分の「悪役令嬢として断罪される破滅フラグを折ること」を目的に生きていきます。
アレクセイがエカテリーナを過剰に心配する理由は、祖父の後継ぎとして、祖母から虐げられていた母と妹のエカテリーナを守ることができなかったからでした。
エカテリーナはミハイル皇子と同じ15歳で身分も皇后を狙うには十分な立場でしたが、破滅フラグを回避するために「皇室と関わらない」とアレクセイに告げ、アレクセイは償いとしてエカテリーナの望みなら何でも叶えることにしたのでした。
良かった点
①転生しても精神年齢はちゃんとアラサーのまま
転生モノはたまに精神年齢まで若返ってしまい、本来年下である攻略対象に目が行きがちなのですが、エカテリーナは攻略対象ではなくさらに(転生した年齢の)年上のアレクセイに惹かれるところが違和感なく読めたので良かったです。
②目的が破滅阻止だけではない
悪役令嬢漫画はほとんど「自分が断罪されることを防ぐ」為だけに行動しますが、エカテリーナはそれに加えて「兄の過労死を防ぐ」といった別の目的があることによって物語の幅が広がると思うので興味を惹かれました。
気になる点
①アレクセイのエカテリーナ溺愛の理由に少し違和感がある
唯一の家族だから大切にするという理由は納得するのですが、幼いころから10年近く別居していた家族にここまで情を持つことがあるのか?と思いました。