ネタバレ注意
「先生、今月どうですか」の2巻レビューです。
今回は紫と万里の2人のほかに、数名の登場人物が話の中心になっていました。
203号室の英(はなぶさ)は、学生?のようで自身のブランドを作ることが目標のようで、紫が冬休みの宿題で妹の千草(ちぐさ)のために熊のマフラーを作れるように教えてもらう代わりに、英の自作の服のモデルをします。
英は紫と万里の関係を面倒そうに思っていて、あまり親しくしようとしない少しドライな雰囲気の人物ですが、紫のモデルとしての素質はなんとなく認めているようで、おせっかいを焼いてくる紫を面倒くさがりつつも、なんだかんだで紫と紫の素質を引き出す万里と関わるという感じです。
無意識なのか紫を心配する万里に少し驚きました。個人の見解としては、気持ちの方向が紫→万里の一方通行だと思っていたので、様子を確かめにくるほど気になっていたという事は、やはり予知能力通りにいくのかなと思いました。
201号室の速水(はやみ)は、どうやら酒好きの恋多き女性といった感じですね。
紫の万里に対する恋心を改めて認識させた良い人でしたね。「他人の男に興味ないから」といって、自分の気になる人を諦めるというかさっぱり切り替えるところが素敵だなと思いました。
重い女だと言われたと言っていましたが、全然そんな感じの人には見えませんでしたね。これからの速水に期待です。
父の雅臣(まさふみ)と母の凛子(りんこ)が経営する「喫茶すみれ」の二人の話でしたが、こちらも7歳歳の差の夫婦で、珍しく父親のほうが年下という事でしたが、お似合いの二人でしたね。
不器用だけど誠実な父親とそんなところを可愛いと思う母親、とても素敵だと思います。夫婦仲が良いって憧れます。私の周りでそういう話は聞かないもので、世の中には現実でもこういう仲の良い夫婦がきっといるんだろうなと思いました。
その後、その両親の話を万里にした後で、「私、17歳です」と攻める紫に思わず笑ってしまいました。そんな結構直接的な告白に気づかない万里。英じゃないけどこれはややこしいことになりそうな二人というか、もうなっていますね(笑)。
万里を映画に誘おうとしていた紫でしたが、あんなに告白みたいなことを言っているのに、誘えないということに意外さを感じました。
そんな悩みに気づく友人の芹(せり)となぜかそんなところにだけ気づく万里。この二人に紫は大切に想われているんだなと分かる話でしたね。
喫茶すみれの常連、中島さんの飼っている犬「幸子」ですが、紫にだけ懐かないことから最初、万里を恋愛的に懐いているのかと思いました。
深読みしすぎでしたね。そんな現実離れした原因ではなかったですね。単純に表情に力のある紫が苦手だっただけのようでしたね。そういえば紫が笑っているところが記憶にないのですが、そんな場面がありましたかね?この話で初めて気が付きました。
新しい出版社から声がかかり、恋愛小説に取り掛かる万里でしたが、紫の未来視通りに上手くいかなくて企画がなくなるという結果だったのでしたが、紫が自分の力でほんの少し未来を変えることができたということは、やはり万里が小説家として大成し、紫と結婚するという未来になるのでしょうか。
個人的にこの話で良かったのは、万里が前回教えてくれた悩んだ時にくる場所で早速二人が出会うところですね。まだ内容こそ違いますが、二人が同時期に悩むという展開に、二人三脚的なつながりを感じました。