今回紹介するのは「勇者殺しの元暗殺者。~無職のおっさんから始まるセカンドライフ~」です。
~あらすじ~
暗殺者「ジュウ」は、「クロ」という男に道具として扱われていました。ある時クロから最後の依頼として”勇者を暗殺しろ”と命令されます。命令通りに勇者を暗殺したジュウでしたが、最後の依頼を達成したその後、殺人から解放されたジュウは一般人としてどう生きていくのか…というお話になります。
良かった点
①あっさりとした過去
主人公のジュウがかなりの歳なので、何か長い過去シーンなどがあるのかと思いましたが、そのあたりは短くまとめられており、新しい人生にフォーカスを当てられているのが良かったです。
②勇者にも勝てる実力者
魔王軍四天王にも勝った勇者を倒せるほどの強さを持っているのは、ファンタジー作品としてはなかなか爽快な展開が期待できそうな要素ではないでしょうか。
ジュウは対人戦に長けているようで、対魔物の実力は分かりませんが、人に対してなら負けない安心感があるのは良いですね。
③おっさんが主人公
私のような歳を取ってきた人間には、若くて明るい主人公物は眩しすぎるので、暗くて歳のいった主人公というのは一部の方には刺さる設定だと思います。
道具として扱われていた経験があるからか、変な自我がなく、感情移入しやすいほうなのも良い点だと思いました。
気になる点
①暗殺者として生きてきた割には善人過ぎる
生まれてきてからずっと暗殺をしてきたとあったので、それを考えると倫理観ぶっ壊れのモンスターができると思うのですが、落ち着いたしっかりした性格なので違和感を抱きました。
しかし、その理由を長ったらしく説明されるよりかは、ある程度省略してくれた方が読みにかかりやすいので欠点だとは思いませんでした。
②グロ要素あり
こういったジャンルの作品としては、並み程度のグロさですが、苦手な方は注意しておいた方が良いと思います。
~おすすめ度~
★★★★☆(4/5)
おっさんが主人公の変わった作品もたくさん増えてきてはいますが、個人的にその中では主人公に対して違和感を抱かなかった良い作品でした。
作品のタイトルが”元暗殺者”とあるので、全体的に話が暗めでブレていないのも良いポイントでした。変なコメディ要素などがあると雰囲気を壊してしまい、読むこと自体が苦痛になってしまうことがあるので…。
以上のことから、この作品はアラサー後半の落ち着いた男性に刺さる作品だと思いました。
2巻の感想について
