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おとなりの天涯 1巻 レビュー


今回紹介するのは「おとなりの天涯」です。

この漫画は「異世界と辛い現世の二つが舞台」「のじゃロリキャラ」「日常系」という設定が好きな方におススメできる作品です。

会社で雑に扱われ、いつも夜遅くまで仕事をしている「土屋ルノ」は、ある日「どっか行っちゃいたいなぁ……」と思いました。

家に帰り、シャワーを浴びようと浴室を開けると、そこには木々が生い茂る洞窟が広がっていました。それだけでなく、その中からちっちゃい女の子が出てきました。

彼女の名前は「コイチ」と言い、「タカラハラ」という異世界の姫だそうでした。

コイチは遊び場のお社で遊んでいたら迷ってしまい、ルノのところへ来たようでした。

ルノコイチに「主からは飯で埋まらぬわだかまりを感じる」と言われ、コイチルノにご飯をもらったお礼に、我が家の風呂に来いと誘います。

コイチが言うには、今のルノに必要なのは「わだかまりのくびきを断つこと」らしく、ルノは勇気を出して洞窟の奥へ歩いていくのでした。

その先には一面の草原が広がっており、コイチをタカラハラに送り届けたルノはタカラハラの民から、姫を救った恩人(客人)として迎えられるのでした。

タカラハラの太古の遺跡から湧いた大きな温泉に入ったルノコイチ

ルノは(自分じゃなくても)誰でも良い仕事をしていることに悩みを感じていましたが、コイチに、代わりがいない自分や従者のように、ルノだからこそ廻っている事もあるのではないかと言われます。

タカラハラから帰る時には、ルノの表情はスッキリしたものになっており、コイチとまた逢えたらいいなという話をして別れます。

特定の時間に、浴室からタカラハラに定期的につながっているようで、また会えた二人は、今度は現世で一緒に酒を飲みました。

ルノコイチの家のほうが眺めがいいのでは、と尋ねますが、独りで見る桜は飽きてしまうというコイチに、次はタカラハラの桜を一緒に見ようというルノでした。

良かった点

①タカラハラの世界観

ゲームのようなファンタジーな異世界ではなく、日本(現世)では味わうことのできない風習や風土が、この漫画の雰囲気を独特なものにしていて、それが興味を惹かれるくらい面白かったです。

タカラハラは1巻を読ませていただいた感じでは、日本のような「和」の部分があるところも、風情があり良い点だと思いました。

②ルノとコイチの関係

この二人の関係は、一見ルノが保護者のように思えますが、コイチは一国の姫としての誇りを持っており、また物事のとらえ方が悟りに近いような考えを持っていると感じたので、絶妙なバランスで持ちつ持たれつになっているのが、微笑ましく癒しの部分だなと思いました。

③魅力的な描写

タカラハラの食べ物、景色、生き物、文明の利器などが、1コマ1コマ丁寧に分かりやすく描かれており、雰囲気を掴みやすくて良かったです。

個人的に感動したのは、黒と白の使い分けから生み出される、明と暗の表現でした。

④コイチがとても可愛い

大切な要素。

気になる点

①コイチが現世に合わせることが難しすぎる点

コイチが現世で過ごす話も読んでみたいのですが、人には気を遣えても、周りが見えなくなることがあるところがあるので、二人が現世でのんびり過ごすところを見たいので、実現するのかを不安に思いました。

②現世の嫌なところも見なくてはならない点

異世界と現世、二つを行き来するのは面白い点だとは思いますが、漫画で陰鬱な雰囲気を味わいたくないので、そこの部分は少し読みづらかったです。

2巻の感想について