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夜の名前を呼んで 最終巻 感想

ネタバレ注意


「夜の名前を呼んで」の最終巻の感想です。

1月15日に発売された5巻で最終巻になりました。

私がこの漫画で一番心に残ったセリフは「自信は不安に効く薬になる」です。第1巻でこの言葉に心打たれたのですが、まさかの最終巻にもこの言葉が出てきました。

この言葉がさらに破壊力(感情を動かされる意味で)を持つようになったのは驚きました。使い方がうまいんだもんなあ!

5巻ではミラが今まで頑張った経験を自信にして、その自信から不安を克服していき、自分と向き合うことができるようになって、新しい道へと進んでいっていました。

診察所に来た人々の力を借りたり、時には力になりながら、徐々に街への一歩を進めていく過程が、この巻では大きく進んでおり、やはり最終巻だけあって一番読みごたえがありました。

ついに街へ行けるようになるのですが、そのきっかけは自分のためじゃなく、人のためというのが、優しいミラらしいなと思いました。(もともとは人に迷惑をかけないようにと考えていましたからね。)

あれ?と思ったのが、カプリミラのことを「ミラさん」と呼んでいたのですが、今までそう呼んだことってありましたっけ?カプリの秘密が分かったことから、距離が縮まってそう呼ぶようになったのでしょうか。良き!!

願いがかなった”夢”の世界へ行って、ミラが辛かった過去も悲しかったことも自分の一部であり、怖いけれども過去を持ちながら夜と生きていくと言ったシーンは、ありのままの自分を受け入れ、認めることができたという事ですよね。

最初は自分のことを大嫌いといっていましたから、ここまで成長したミラを見てすごく感慨深くなりました。

最後はスッと終わってしまいましたが、逆に綺麗な終わり方だと思いました。冗長さがまるでなく、それが続きを出してくれ~!という気持ちにさせてきました。

最後に描かれた「”その後”についてのメモ」というものがあり、そこで親切に気になっていたことを補足してくれたので、最後まで満足して読み終えることができました。(感激)

ここからは感想ではありません。

私がこの漫画に出会ったのはXのとあるポストだったのですが、おしゃれなタイトルと表紙絵に惹かれ、お試しで「プロローグ」と「episode.1」を読ませていただいたのですが、「綺麗な『夜』の星空」「魔法使いの若くて優しい”師匠”」「なにかを抱えているけれど優しく頑張り屋さんな女の子」という3つの要素が、今までの漫画には無い不思議な内容だと感じ、購入させていただきました。

私たちは、将来の不安や人によっては身体や心の不安により、多くの悩みや辛さを感じますが、そんな時にこの漫画を読むことで、悩みの考え方(見方)が変わり、漠然とした不安が、自分と向き合えるようになることで鮮明になり、その不安も自分の一部だと認めてあげられ、いつしか自分の成長を感じることができるようになると思います。

ただ面白いだけでなく、自分の人生に影響を与えてくれる良い漫画でした。是非読んでみて下さい!

著者の「三星たま」様には、感想のお知らせポストを何度もいいねして頂きました。こちらこそ素晴らしい漫画を描いてくださってありがとうございました。

4巻の感想について