ネタバレ注意
「夜の名前を呼んで」の4巻の感想です。
episode.20「影の子」
前巻で話にでた「アルデ・バラン」がレイたちの元に来ます。アルデは「影病」によってみんなに置いていかれる気持ちが、ミラに一生分かるわけないと言います。
アルデは病気によるつらい過去を持っているからこそ、簡単に他人に心を許さないのでしょう。私も似たようなことを経験しており、この症状はだれにも理解されないし、みんなより辛いんだと考えていました。しかし、実際には同じように苦しんでいる方も大勢いるのだという事が分かると少し周りに優しくできるようになった気がします。
病気の苦しみを知っているアルデだからこそ、ミラの「夜」の症状に対して、偏見や恐れを抱かなかったのだと思います。無事二人が仲良くなってくれて嬉しかったです。
episode.21「レイの選ぶもの」
レイは街でミラにみかん飴をイメージした甘くて爽やかな香りのする「夏の庭」という香り蝋燭を買いました。そうしたら街中で「夏の庭」を買えなかった人を見つけたので譲ったら、「妖精カブ」という野菜を貰って、さらにその「妖精カブ」がまた違うものと交換して…。
わらしべ長者みたいなお話でした。最後の表情を見ると、レイは花石だけでなく幸せも得たのかもしれませんね。
レイが天然の女たらしであることが判明したところや、占い師の「変な奴にも絡まれやすい」という突っ込みどころのある結果に笑ってしまいました。
episode.22「月夜のステラ・ミラ!」
ミラの部屋にステラが訪ねてきて、月の森へ向かいました。ステラはミラに見せたい景色があるようです。
川の味が、甘くて柔らかくしたレモンに似ている「月の味」とありましたが、月の色に光っているその飲み物を、実際にどこかのお店で似せて作ってほしいです!飲みたい!
ステラは夜の光が好きだから、ミラのような「夜」の症状があるけれども、明るい子が気に入っているのでしょうか。二人の関係を見ているとなんだか安心しますね。
episode.23「星づくしのスープ」
ミラはアルデとカップをお料理会に誘いました。アルデはカプリがカップに変身するところを見てしまい、カップが何を企んでいるのかと怪しみます。アルナイルの郷土料理「星づくしスープ」を作りますが、カップは料理になれているのでテキパキ料理を進めていきますが、アルデは…?
アルデはすっかりミラのことが好きになっていたようで良かったです。このお話でアルデの色んな表情や笑顔を見ることができたので楽しかったです!
episode.24「星の鎮魂歌【前篇】」
カルトスは研究医として「アポロン」という少年に「声が出なくなる代わりに症状が治る手術」をするかどうかと聞きますが、カルトスはみんなと違い、手術が受けたくなければそれでいいんじゃない?と言います。アポロンにとって歌は救いだったようです。
カルトスは過度に寄り添わないけれども、しっかりとした事実を伝えてくれるタイプなのですね。レイも過剰には助けず、自分で挑戦するのを見守るというスタンスだったので、似たようなところがあるのかもしれませんね。
無責任な言葉をかけてくる人より、厳しいけれども事実を伝えてくる医者の方が人によっては救いになるのかもしれませんね。
episode.25「星の鎮魂歌【後編】」
アポロンはカルトスと話している時に倒れてしまい、手術を受けることにしました。アポロンはカルトスに恐れているものはあるか、死とはどんなものだと思うかと聞きます。
カルトスが過去に病気だったこと、兄弟がいたことなど、気になる話がたくさん出てきましたね。研究熱心だけれども今の考えに至った経緯が知りたいですね。
「生まれちゃったから生きてる」「気が付いたら今日も死に損なった」という柔軟な考えは大切ですね。カルトスの言う通り、悩んでいる人は力が入りすぎなのかもしれませんね。
生きていると悩んでしまうことについての考えに触れられていて、自分の人生にも当てはめて考えられるような良い漫画だと思います。