ネタバレ注意
「夜の名前を呼んで」の2巻の感想です。
episode.7「ほしうたの〒少年」
「カプリ・アルゲディ」という郵便局の少年配達員が、レイの家に手紙を届けに来ました。カプリは近くにミラが居たので声をかけますが、逃げられてしまいます。
それをカプリから聞いたレイは、二人が仲良くなるために、カプリに薬の代金の代わりに「特殊な作業着」を着て草むしりをしてくれないかと言いますが…。
カプリが「特殊な作業着」を着ることで、ミラがカプリを「カップ」という可愛い山羊と思うことができ、「夜」を出さなくなったことを考えると、同じ生き物でも「人間以外」なら不安や恐怖を感じずに接することができるみたいですね。
カプリがなぜ山羊になれるのか。カップ(カプリ)がミラにとある石を渡した後、なぜドキドキしていたのか、まさか恋の始まりなのでしょうか!?
episode.8「風邪の日」
レイが風邪をひいてしまいました。ミラが看病をしていたのですが、とある過去の記憶から魔力が暴走してしまいました。
珍しく弱気なレイが登場しましたね。ミラがちゃんと勇気を持っている子だということと、お互いの信頼関係がしっかりしているからこそ、レイはミラを治療ができ、ミラはレイの治療を受けられるのでしょうね。
episode.9「魔法薬のせかい」
レイは新薬の研究で薬の調合に失敗してしまい、髪が煙色に染まってしまいます。
色々なものをみてミラも薬を作ってみたそうにしていると気づいたレイは、薬草のすり潰しを手伝ってもらうことにしました。
ミラは薬で使わない薬草の部分がでることを知り、「もったいなあ」と言い、レイは「薬を使うためにいただいた生命はなるべく余すことなく使うべきだ」と言う「生命への敬意」を忘れてはならないと同意します。
色々な道具や薬草が出てくる回ですが、一つ一つの物に深いところまで設定がありました。
私はこういう不思議な世界観の物の説明が大好きでワクワクします。同時にいったい作者の方はどこからこんなに楽しい着想を得たのだろうかと思いました。
episode.10「ステラ・スピーカ!」
薬草を乾かすのにはいつも機械を使っていたレイでしたが、少し前に故障してしまっていました。そこへその機械の発明者でありレイの学生時代の親友「ステラ・スピーカ」が訪ねてきます。
ミラはステラから、レイに憧れの人がいることを教えてもらったり、「空レヨン」という道具をもらったりします。
カルトスを「闇」とするなら、ステラは「太陽」のごとく明るく、好きの感情が多い人でしたね。
レイは友人に振り回される苦労人タイプだという事が良く分かる楽しいお話でした!
episode.11「はじまりの夜に【前編】」
ミラがレイの家へ来て、初めて「夜」を出したときのお話です。
ミラはレイと出会うまではかなり発作に苦労してきたんだろうなあと思いました。
両親しか理解者がいないというのはとてもつらく、人間不信になりますよね。
私もどうやってレイがミラの心を開いたのか気になっていました。
episode.12「はじまりの夜に【後編】」
レイはミラに「一緒に死のうか、生き続けることが苦痛でしかないのなら」と言いますが、ミラにはまだ失いたくないものがあると自覚します。
レイもミラのように体質のせいで多くの人に迷惑をかけてしまい、同じように預かってくれた「師匠」がいました。
レイの師匠の考えやレイ自身の考えを話すと、ミラは「じゃあ、先生が私のお師匠さんだ……」と、ミラがレイを師匠と呼ぶまでのお話です。
命を懸けてミラに一歩づつ寄り添って治療をしていくレイの覚悟が感じられました。
師匠から弟子へ引き継がれていくと、弟子の知恵もどんどん加わり、よりいいものになっていくことが多いですよね。
ミラも誰かから「師匠」と呼ばれる日が来るのでしょうか。