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悪役令嬢は、全力で推しに課金したい! ~軍資金は5千万ペンド~ 1巻 レビュー


今回紹介するのは「悪役令嬢は、全力で推しに課金したい! ~軍資金は5千万ペンド~」です。

七海まどか」は事故で亡くなってしまい、「リディア・オールドマン」として生まれ変わりました。

リディアはまどかがプレイしていた「眠れる君に口づけを…」というスマホ乙女ゲームの悪役令嬢でした。

まどかはどこにでもいる女子高生でしたが、母が幼い時に亡くなり、父はすぐに再婚し、義母との暮らしがうまくいかず、祖父の家に預けられていました。

しかし、祖父もまどかが高校へ入学したのを見届けて亡くなってしまいました。

そんな中「眠れる君に口づけを…」に出会います。

そのゲーム内容はヒロインの「ローラ・ブライトウェル」が、不治の病に侵された母の命を救うために茨の森に住む魔女と取引をします。

対価として「17歳の誕生日までに自分を愛してくれるものを見つけなければ死ぬ」という呪いをかけられてしまったので、ローラは運命の相手を探しに行きます。そこで攻略者対象達出会っていきと恋に落ちていきます。

登場人物でありラスボス的存在である「ダグラス・シャーウッド」は、物語の中盤に舞踏会でローラに会い、惹かれていきますが、その頃には既にローラには想い人がいました。

そうした嫉妬や他の事情から茨の森の魔女から力を貰い、ラスボス化した後にローラと攻略対象者たちに倒される、必ず死んでしまうキャラクターでした。

まどかは、自分と同じように孤独なのに、自分に出来ることを精一杯こなし、前に進みながら生きていくダグラスに幸せになってほしいと思っていました。

そんなダグラスを救う方法が一つだけあり、それは「課金」をすることで、ダグラスが闇落ちせずにローラと結ばれるルートを開くことでした。

まどかはそのダグラスルート解放前日に事故に遭ってしまったのでした。

よって、リディアとして生まれ変わったまどかは、この世界で稼いだ5千万ペンドを使い、ローラダグラスを恋に落としてしまうことで、ダグラスを幸せにすると決めたのでした。

リディアは有能な執事の「クリス・ミッチェル」と共に、ダグラスローラの動向を調べて、二人が合うように画策します。

ローラは既にメイン攻略キャラクターのチェスター王国第一王子「フィリップ・メイヤー・チェスター」と仲が良く、なんとかしてダグラスルートに軌道修正するように色々頑張っていきます。

しかし、ダグラスは幼少期に文通していた心の支えになっていた「アネモネ」という女性に会いたがっていました。

その「アネモネ」の正体はリディアであり、苦しんでいるダグラスのために10年間手紙を送っていたのでした。

そしてどうやら招待状や香水などから正体がばれてしまったようで、舞踏会でダグラスに「君が『アネモネ』なんだろう?」と言われてしまい…?

良かった点

①ご都合主義だと感じない

前世の知識を使って無理やり進めるのではなく、ちゃんとお金を用意してあるという点が物語に納得がいくというか違和感なく読めるのが良かったです。

②他人のために動くが、裏方過ぎない点

ダグラスのために陰から動いてローラとくっつけるのではなく、双方と関わりを持ちつつ、くっつけなければいけないという点が面白かったです。最もリディアは陰で動きたかったと思いますが笑。

③リディアとローラの表情が豊かで見ていて楽しい

コメディな表情、キュンとする表情など喜怒哀楽がしっかりしていて、見ていて飽きない点が良かったです。

気になる点

①リディアのダグラスを躱す理由

ゲームをやっていたまどかなら、リディアが嫌いなんじゃなくて「自分(ダグラス)が好きなローラをイジメていたリディア」が嫌いだったことに気づくはずだと思いました。

2巻の感想について