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無能才女は悪女になりたい 1巻 レビュー


今回紹介するのは「無能才女は悪女になりたい」です。

アリンガム伯爵家の長子である「エイヴリル・アリンガム」は、社交界で「悪女」と呼ばれている義妹のコリンナの代わりに、辺境の地に住む好色家の老いぼれ公爵と噂のランチェスター家の当主に嫁ぐことになりました。

何故、そんなことになったかと言うとコリンナは「仮面舞踏会」で出会った侯爵家の令息と懇意になり一夜を過ごしたのですが、その令息の婚約者はアリンガム伯爵家が融資を受けている大富豪の令嬢でした。

案の定、「今すぐ借金を全額揃えて返せ」と言われ、困ったエイヴリルの実父のアリンガム伯爵と義母、義妹のコリンナは借金のかたにエイヴリルをランチェスター家に差し出したというわけでした。

さらにコリンナは仮面舞踏会でエイヴリルの名前を騙っており、身代わりだけでなく「悪女」のレッテルも貼られてしまいました。

エイヴリルは、祖母譲りの優秀な能力の持ち主でしたが、その祖母は義母と義妹が家に入ることを拒んでいたので、エイヴリルも家族から疎まれてしまいました。

実際にランチェスター家に到着してみると、そこに居たのは老いぼれ公爵ではなく、若い青年の「ディラン・ランチェスター」公爵でした。

ディランは面倒な縁談に煩わせられないように、わざと前侯爵の噂を流していたのでした。

エイヴリルディランに、3年後に傷物として放り出される屈辱的な内容である形だけの夫婦になるという契約結婚を言い出されます。

しかし、今まであまりにも不当な扱いを受けてきたエイヴリルにとっては、実質3年後に自由とお金の両方を貰えるというトップクラスの良条件であったため、喜んでそれを承諾します。

エイヴリルアリンガム伯爵家に戻されないように、残してきた使用人たちのことを何とかするために、ディランが自分を悪女でないと見破り、契約を無効にされないために、「立派な悪女として、契約を完璧に履行する」ことにしました。

エイヴリルは本性がばれないように頑張って「悪女」を演じますが、所々の素行からすぐに天然で礼儀正しく穏やかな性格の持ち主で「悪女」ではないと見破られ、ディランやその従者たちのエイヴリルに対しての態度が優しいものになっていき…?

良かった点

①必死に悪女になり切ろうとするエイヴリルが可愛い

悪女」になろうとすればするほど、逆に意味で墓穴を掘ってしまうエイヴリルを見るのがとても楽しかったです。ところどころぷるぷる震える小動物みたいに表情が変わるのも面白い点でした。

しかしそれだけでなく、ちゃんと芯のある人物で考えるべきところは持ち前の努力と才能で堂々と決めるというのがギャップになっていてそこも魅力の一つだなと思いました。

②比較的ほのぼのした気持ちで読める

最初に読む前は、エイヴリルランチェスター家でも可愛そうな不遇な扱いを受け続けるのかなと思いましたが、ディラン達が良く見ており、エイヴリルが不当な扱いを受けないか守りに来ていたりするなど、読んでいて嫌な気持ちになるシーンが少なく、楽しくほのぼのした気持ちで読めました。

気になる点

①今後の展開がどうなるか

エイヴリルアリンガム伯爵家で不当の扱いを受けすぎたため、この先ランチェスター家ディランの元に居れば、過去より厳しい状況に陥ることがないのではないのでしょうか。そうするとこの後の展開が広がらないのでは?と思いました。

2巻レビューについて