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売られた王女なのに新婚生活が幸せです 1巻 レビュー


今回紹介するのは「売られた王女なのに新婚生活が幸せです」です。

この漫画は「可愛そうなヒロインが主人公」「主人公が賢い」「主人公の身分が高い」「格好良く優しい理想のパートナーができる」という設定が好きな人にオススメできる作品です。

第一王女である「マデレーネ・メルヴィ」は、王家の借金をなくすため、腹違いの兄「イエルハルト・メルヴィ」により、「アラン・ノシュタット」子爵と結婚させられることになりました。

何故かアランは、嫁いできた美しく身分も高いマデレーネに「俺はあなたを妻と思う気はない、いずれ離縁するつもりです」と言います。

マデレーネアランの優しさゆえに冷たくされていることに気づいており、アランの良き妻になりたいと思っていました。

マデレーネは噂では金のかかる王女と言われており、最初は城の使用人たちに警戒されていましたが、マデレーネの優しい性格により、みんな忠誠を誓うようになります。

アランも最初はマデレーネのことを誤解をしていましたが、マデレーネと関わることで、マデレーネのことを「俺ごときの妻でいい人ではない」と思うようになりました。

しかし、アランの思いとは裏腹に、マデレーネは、「ここでの暮らしは幸せだからノシュタット家にずっと置いてほしい」とアランに伝えてきました。

アランは自分が子爵という身分だから、王女であるマデレーネを自分の妻にすることをためらっていました。

マデレーネアランの妻になりたいと思っていますが、アランにはマデレーネを妻にする自信が持てないようですね。

しかし、アランマデレーネのことを大切に想っているのは、マデレーネには伝わっているので、物語が進むのはアランの行動次第ですね!

良かった点

①主人公である一番マデレーネが可愛く描かれている

個人的な感覚かも知れませんが、この漫画の中でマデレーネが一番可愛く見えて、ドレス姿なども綺麗で良かったです。

表情の種類も一番豊かで、見ていて面白かったです。

②マデレーネが有能である点

ただの可愛そうな主人公というだけではなく、きっちり第一王女としてふさわしい知識や社交界での立ち回りを身に付けていて、読んでいて快適でした。

③冒頭の辛い部分が少なく、軽い気持ちで読み進められた点

主人公の扱いが不遇すぎたこと、不幸にあったことをあまり長々描かれていると、読んでいる方も気分が落ちてくるので、あまり好きではないのですが、この作品はそういった部分をサッと終わらせていたので、快適に読むことができました。

気になる点

①みんなマデレーネへ忠誠を誓うのが早すぎる

ユーリアは物語の進行上、信頼を勝ち取っていなければ進まないので分かりますが、その他の使用人や、特にベルタの信頼を1巻目で得たのは、あまりにもあっけなさすぎるように感じました。

②違和感があった場所があった

ヨハンという料理人は、王宮でマデレーネへの酷い扱いを見てきたはずなのに、会っていきなり「貴方のおかげで妻子を養うのに苦労している」と恨み言を言った理由が分かりませんでした。

幼いマデレーネと生きていた頃のエリンディラとも仲良く、なにか悪いことがあったわけでもない、さらに王宮で立場をなくしたのはイエルハルトが原因だと分かっているはずなのに…と不思議に思いました。

2巻の感想について

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窓辺のリノア 1巻 レビュー


今回紹介するのは「窓辺のリノア」です。

この漫画は、「ミステリー」が好きで、「主人公の年齢が高め」で、「行き過ぎたリアルなキャラ絵が苦手」な方にオススメできる作品です。

失踪中とされて警察に追われている「テオドール・ブノア」と、猫人間?の「ピート」が、祖国であるフランスに居られなくなったため、”自分たちのことを知らない街へ行く”という事を目的に旅をする漫画です。

ドイツのバイエルン州にきたテオは、夜の道で、警察に追われている「リノア」と言う少女に出会い、コートに本を入れられ、リノアはそのまま逃げてきました。

我関せずとその場に本を置き捨てるテオでしたが、ピートリノアに本を返してやるべきだと言うので、テオはしぶしぶそうすることにしました。

宿の従業員から話を聞くと、リノアはどうやらいつも警察から追われているようでした。

本来の目的の為、なるべくリノアの関わらないように本を返そうとする二人でしたが…。

テオは何故暴力事件を起こし警察から追われているのか、ピートは何故テオにしか見えないのか、リノアはどういう存在なのかなど、気になる点がたくさんでした!

良かった点

①多くの謎がある、読みごたえがありそうなストーリー

1巻ではたくさんの謎が出てきて、堂々と動くことができないテオピートは、それを解決するのに、どのように目的に向かって進んでいくのかが、楽しみに思える面白いストーリーでした。

②暗さの表現が良い

夜に活動するシーンが多く、黒は黒でも、真っ暗な黒や少し暗い影の黒の表現が、読んでいてとてもいい雰囲気を出していました。

③コマの背景がしっかり描かれている

一つ一つのコマにしっかりと細かい背景が描かれており、漫画を見ているというより動くアニメを見ている気持ちになれるくらいに臨場感がありました。

気になる点

①表現というか詩や言い回しが回りくどいところがある

長所の一つでもあるのかもしれませんが、私は最初の回想シーンや、ピートとの会話が、少し冗長で快適に読めるテンポを遅くしているかなと感じました。

2巻の感想について

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悪夢令嬢は一家滅亡の夢を見た ~私の目的は生き延びることです~ 1巻 レビュー


今回紹介するのは「悪夢令嬢は一家滅亡の夢を見た ~私の目的は生き延びることです~」です。

この作品は、「悪役令嬢が没落にあらがう系」で、「主人公の悪役令嬢がチート能力を持っていない」、「暗い話」という話が好きな方にオススメできる作品です。

ファリティナ・グランキエース」は、夢で、とある令嬢への嫌がらせ(冤罪)と、血の繫がっていない後妻の罪により、婚約破棄と処刑を言い渡されます。

その悪夢はとてもただの夢だとは思えず、恐怖を覚えます。

ファリティナには姉弟が居ましたが、長女の自分以外は、全員後妻から生まれてきた子であり、自分の今の家族にファリティナを愛してくれる人がいないことに気づきました。

そんな中、弟の中に、体が弱い末っ子の「ジェミニ」がいたことを思い出します。

ファリティナは自分と同じで、愛してくれる存在がいないジェミニを愛おしく思いました。

ジェミニと触れ合うことで、ファリティナは、自分が求めていたのは「誰かに望まれる」ことだと気づきました。

ファリティナは、愛情を受けなかった哀れな姉弟たちの中で、せめてジェミニだけには「望まれてここに生きた」と思ってもらうために愛を注ぐ事にしました。

それが、悪夢を見たファリティナの生きるただ一つの目的(願い)になりました。

というのが導入部分です。

良かった点

①キャラ絵が個人的に好み

明るい表情や暗い表情、そしてキャラごとの細かい部分が繊細に描かれていて、見るだけでも楽しかったです。

②優先順位の一番が自分でなくてジェミニだということ

悪夢を見たことによって、婚約破棄からの投獄や一家滅亡を防ぐことも大切な目的でしたが、それよりも一番はジェミニに幸せになってほしいという暖かな目的があり、この厳しい舞台の中で、どう立ち回っていくかが楽しみです。

③ファリティナの頭の良さ

ただ周りに味方を作り、助けてもらうだけじゃなく、自分で考え、足を運び、ジェミニを守るために賢く行動するのが見ていて気持ち良かったです。

悪夢により、第二王子「ギデオン」への恋愛感情も冷め、アマンダと言う令嬢とギデオンが堂々と仲睦まじくしていても、未練のようなものが残ってなかったのも良い点でした。

気になる点

①キャラ絵が少し変わっているので苦手な方がいるかも

良かった点に書いたように、私はこの絵が好みなのですが、柔らかい絵というよりは固めの絵と表現できるような感じなので、試し読みなどでキャラ絵だけでも確認してからが良いと思われます。

②人(キャラ)の悪意が良くみえる漫画

心温まる愛情のシーンもありますが、ほとんどが貴族間の黒い感情のやりとり、という印象を受けたので、明るく逆転していくという展開が読みたい!という人向けではないかなと思いました。

2巻の感想について

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高飛車皇女は黙ってない 2巻 感想

ネタバレ注意


「高飛車皇女は黙ってない」の2巻の感想です。

2巻では今まで家族に虐げられてきたミリアーナが幸せをつかむ様子が描かれています。

ミリアーナは新しい婚約者候補「フィリップ・ライゼンブルグ」辺境伯と顔合わせをします。

フィリップは自分の瞳の色(水色)の服が似合うミリアーナに一目惚れします。

フィリップは戦場で大きな活躍をしましたが、戦場で負った顔の傷から「悪鬼のような恐ろしさ」と噂され、たくさんの令嬢に嫁になることを拒まれてしまっていました。

そんな自分に安心と信頼を抱いてくれるミリアーナと結婚したいと思っていましたが、あまりにも可愛かったので他に良い相手がいるのではないかと聞きます。

ミリアーナも自分を気遣ってくれる知性と優しさを持った、誠実なフィリップに惹かれ、「私はフィリップ様が良いと思った」と断言し、二人は結婚することになりました。

ミリアーナが幸せをつかむために勇気を出して、フィリップに本当の気持ちを聞いたのがめちゃくちゃ良いシーンでした。

誠実で頼りになる男性的魅力が高いフィリップと、穏やかな性格で聡明である女性的魅力を持ち合わせたミリアーナ、お似合いな夫婦ですね!

二人ともお互いを気遣いあっているところがとても微笑ましかったです!

また、二人が照れ合ったり幸せそうにする様子が沢山見られたのが良かったです。

トワイデル伯爵ユージーン、そしてライラには正しく罰が下されます。

クローディアが集めた証拠や情報があるので、この辺はあっという間に進みましたね。

クローディアべリルの関係も徐々に明らかになっていくのでしょうか。この二人はおそらくただの主従の関係ではないですよね…。

クローディアが「銀の髪に黒目で華がない男しか目に入らない」と言っていたのが、この説をかなり濃厚にさせていますよね。

ライラはこの先、お腹の子どもに対してどう接するのでしょうか?

クローディアとの会話を見た感じだと改心?しそうな気がしますね。なにより子供が居る女性はなによりも強いですからね。

ユージーンはこの先希望がなさそうですよね。トワイデル伯爵と同じで、浮気というか、人を裏切るとこういう目に合うよという、クローディアが言っていた「行動には結果がついてくる」という言葉がまさに正しいですね!

結果が出るまで頑張るのは大変なので、未来の幸せより束の間の幸せを考えてしまうのが人間ですよね。私もそうなんです(自省)

1巻レビューについて

3巻の感想について

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高飛車皇女は黙ってない 1巻 レビュー


今回紹介するのは「高飛車王女は黙ってない」です。

この作品は、グリーク帝国の第二皇女「クローディア」が、優秀な情報網とキレる頭脳、そして美しい容貌を持って、他人を貶める悪女を成敗する、痛快なお話です。

いきなり、平民出の男爵令嬢「ララ」に、王子「ジル」を寝取られてしまう公爵令嬢「クリスティーナ」の場面から始まりました。

クローディアは、その場面に堂々と割って入り、なんと30ページほどですべて解決してしまうという怒涛の展開から始まりました。

試し読みなどで少し読めると思うので、是非ご覧にはなってほしいです。クローディアは誰しもの視線を集め、またその場の誰よりも強いという空間を作り出していて、とても魅力的で強かな女性だと、強く印象付けるように描かれていました。

そして次は、「腹違いの妹を虐めぬく性根の腐った悪女」と噂されている、トワイデル伯爵家の長女「ミリアーナ」に会いに行きます。

ミリアーナは義妹の「ライラ」を虐めた事実などなく、ライラによって悪評を流され、全てを奪われた不幸な少女でした。

クローディアは、ライラの「欲しいものを手に入れる為なりふり構わない姿勢」は好きだが、「他に誰かを、特に子供を巻き込むのはいただけない」、と言った時のクローディアの表情から、彼女も過去に何かあったのかなと推察します。

クローディアは優秀な情報網を使い、相手のことを調べ、噂は嘘だったという話を流したり、あれよこれよと話を進め、1巻の最後で、あっという間に逆転する前まで来てしまいました。

この作品に驚かされたのは、「ヒロインに婚約者を取られた令嬢」が主人公の漫画が増えてきましたが、その話をさらに上の立場から解決するという斬新な設定です。

私自身、理不尽な仕打ちを受けた令嬢が主人公の漫画は、このサイトでも紹介しているように、多く読んでいますので、同じような漫画を読んできた方々には強くお勧めできます。

良かった点

①斬新な設定

②クローディアの力の強さの多彩さ

明晰な頭脳、情報網、美貌、魔術、王家とのつながりなど、クローディアには一般人とかけ離れた力を持っており、ほとんどの問題に介入できるという点が良いと思いました。

③不幸な令嬢系の漫画を読んだ人ほど刺さるストーリー

気になる点

①キャラクター絵は可愛く描かれているが、独特な感じはない。

色んなキャラが居て、一人ひとり違いが分かるくらい、多彩なキャラを描いていてすごいと思いましたが、他の漫画と比べても同じような絵の表現の仕方かなと感じました。

2巻の感想について