ネタバレ注意
「転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す A Tale of The Great Saint」の1巻レビューです。
この漫画は「聖女」「ハイスペック主人公」「力を隠しきれない」という設定が好きな方にオススメできる作品です。
ルード騎士家の次女「フィーア・ルード」は、小さい頃から騎士になるのが夢でした。
フィーアは必死に訓練していましたが、騎士として一番重要な剣の才能がありませんでした。
それでもフィーアは騎士になるために、ルード家の「成人の儀」を受けます。(魔物を狩って、その魔物の魔石を持って帰ってくること)
フィーアは成人の儀の途中で、酷い怪我をしていた黒い雛の鳥を見つけました。
姉の「オリア」から貰った貴重な回復薬を雛に使いましたが、回復薬の副作用として激痛が走るというものがありました。
雛は回復していきましたが、雛の正体は伝説級の魔物で最上級危険度の黒竜でした。
激痛がしたため、フィーアに攻撃されたと思った黒竜はフィーアに嚙み付きました。
フィーアは走馬灯の中で、自分の前世が”大聖女”だったことを思い出します。
過去の中で、フィーアは兄王子たちと魔王を封じることに成功していましたが、兄王子たちに裏切られ見捨てられてしまいました。
そこを魔王の右腕の魔人に見つかってしまい、嬲られいたぶられ辱められ、最終的に殺されてしまいました。
目覚めるとフィーアと黒竜は完全に回復し、その礼にフィーアと契約をすることにしました。
黒竜王「ザビリア」と契約し、自分が聖女だと思い出したフィーアは、前世のように自分が聖女だとバレてひどい目に遭わないように、聖女だということを隠して生きることにしました。
Aランククラスの魔石を持ち帰り、兄たちに黒竜との関係を問い詰められましたが、オリアのおかげでフィーアは王家に取り込まれることを避けることが出来ました。(黒竜はナーヴ王国の守護獣であり、王家はフィーアを取り込むために婚姻させる可能性が高いため)
かつて聖女は精霊の力と契約し、魔法を使えるようになっていましたが、精霊と契約すると精霊の残滓から聖女であることがバレてしまうので契約をしないことにしました。
今、聖女と呼ばれている人たちは単に回復魔法を使えるもののことを指し、フィーアの魔力は規格外であるとザビリアから説明されました。
フィーアは今の自分の剣の腕では、魔人に殺されてしまうので、強い味方ができるまで「聖女の力」を封印することにしました。
しかし、騎士団試験で目立ってしまい、20の騎士団を纏める王族(王弟)であり騎士団総長の「サヴィス・ナーヴ」に目をつけられてしまうなど、色々力を隠しきれず、活躍してしまうというお話です。
良かった点
①フィーアの設定が面白い
兄王子(王族)に裏切られ、魔人に殺されたという過去があるから、聖女の力を隠す、という筋の通った理由があることが良かったです。
多くの作品は、なんとなく力を隠すというスタイルの主人公もいるので、フィーアのこの事情は応援したくなるような、盛り上がる要素で楽しいと思いました。
②フィーアのおちゃめな性格が可愛い
大聖女だったという過去がありながらも、比較的楽観的で、表裏が少なく、調子に乗りやすい、明るめだけど抜けてる女の子という感じで魅力的な主人公だと思いました。
気になる点
①いくらなんでも目立ちすぎている
聖女の力を封印すると言っていましたが、魔剣を次々生み出したり、身体強化をもりもり使って試験官を突き飛ばすなど、どう考えても普通の人ではないことがバレる要素しかない行動をしているのですが、このあたりの矛盾が苦手な方は注意が必要です。(力を隠しきれないところが魅力で面白い点だとも思いますが)
②よく分からない部分がある
最初ザビリアに噛み付かれた時、フィーアは自分とザビリアに回復魔法を使ったみたいなのですが、回復薬の効果がなかったのかということと、結局フィーアがどう回復魔法を使っていたかの描写がないため、このあたりは少し混乱する方がいらっしゃるかもしれません。
2巻の感想について