ネタバレ注意
「ティアムーン帝国物語~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~」の3巻レビューです。
ミーアは同じ帝国の者としてティオーナを監禁した事件に関与した従者の主人の処遇を決めなければいけません。しかし、本人たちには動機がないので、重い罰にはしたくないのですが、軽い罰にすれば、ラフィーナの怒りを買い、シオンやティオーナからにも反感を抱かれてしまうので、断罪はしなければならないという問題に直面しました。ラフィーナに今回の事件について帝国の代表として謝りに行き、従者の主人を結局謹慎というすこし甘い処遇にした旨を報告するのですが、なんとかラフィーナの怒りを買わず、さらに好印象を抱かれ、友達になることができました。
前世でも、ミーアはこの事件に直接関与したわけではないのですが、犯人達の処遇を曖昧にしてしまったのは確かに悪手でしたね。直接害を及ぼしたわけではないですが、犯人達とおなじ思想を持っている人物として思われてしまうでしょうから、今回はうまく前世の問題を解決することができましたね。この問題は、ミーアだけでは解決不可能だったので、周りの人物を変えることで自身の運命も変わるということですから、ギロチン回避は相当複雑なものになっていますね。
ミーアは革命がおきたとき、逃げられるように馬術クラブを訪れます。その際に武力のある騎乗王国の出身の林馬龍とつながっておきたいという目的もあり、接触に成功します。アベルと一緒に馬に乗ったりもしました。
他にも、商人の娘であるクロエと本を読むことが共通の趣味で友達になったり、ペルージャン農業王国の第3王女であるラーニャと共同開発の話が成立したりと、着々とギロチン回避に向けて人脈を作っていくミーアでした。
どちらも過去にアンヌが関係しており、クロエは前世でミーアが処刑前に投獄されていた時に、エリスが作っていた物語を一緒に語り合うために、ラーニャとは監獄にいたミーアに誕生日だからといってプレゼントしてくれた貴重なクッキーを思い出し、大飢饉に対抗するためにと、前世のアンヌがしてくれた事の大切さを守るために動いていますね。過去のアンヌとミーアのシーンも描かれているのですが、ミーアの中の大切な思い出とわかる感動のシーンでした。
夏休み前に剣術大会が行われると聞いたミーアでしたが、剣術大会では好きな殿方にお弁当を作るのが慣例と言われており、前世ではシオンに断られており、苦い思い出があったため、忘れていました。しかし今回はアベルに弁当を渡す予定を取り付けました。
弁当屋は繁忙期の為、どこにも注文できない状況でした。そこでアンヌは自分たちで弁当を作ることを提案します。ティオーナやクロエも誘って作ることになったのですが、料理経験がほとんどないミーアたちが作るのはほとんど無謀で、そんなときに救いの手として現れるキースウッドなのでした。
貴族の令嬢ですから、料理経験がないのは仕方ないですが、メイドであるアンヌやリオラ、商人の娘であるクロエでさえ経験がないのは意外で面白かったです。今のところは壊滅的ですが、キースウッドがどこまで軌道修正できるのか、気になるところです。