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勇者、辞めます 1巻 レビュー


今回紹介するのは「勇者、辞めます」です。

この漫画は「元勇者」「最強主人公」「人間の敵側になる」という設定が好きな方にオススメできる作品です。

勇者レオ・デモンハート」は、1年前に選ばれし勇者として、魔界から人間界に攻め込んできた魔王エキドナ」を倒し、世に平和をもたらしました。

レオは王国騎士の称号を持ち、魔術師としても錬金術師としても野伏(レンジャー)としても超一流で何でもできてしまうので、仲間を必要とせず一人だけで魔王を倒しました。

レオは魔王を倒し聖都レナイェに戻ると、民衆や王はレオのことを魔王より強い怪物だと恐れ、翌日からレオを殺すために暗殺者を送り込んでくるようになりました。

しかし、魔王を一人で倒したレオに勝てる暗殺者などいるはずもなく、全員倒されてしまいます。

とうとうレオは聖都の聖王から国外追放を命じられ、帰る場所も無くなってしまいました。

あてもなく彷徨っていた時、酒場で魔王軍が人材を募っているという噂を聞き、魔王軍なら自分を受け入れてくれるかもしれないと思ったレオは、新生魔王軍の採用面接に潜り込みました。

魔王エキドナと四天王の前で自己アピールしますが、一度魔王軍を半壊させた勇者が魔王に受け入れられるはずもなく、不採用だと言い渡されてしまいました。

レオは諦めず副面接官の四天王を説得し、何とか魔王軍に仮採用されました。

レオは、エキドナや魔物たちに正体をバレないように変装しながら、勇者(自分)によってボロボロになった魔王軍を立て直すことに協力するのでした。

良かった点

①ストーリーが面白い

世界を救った後の物語というのが斬新で、最強の主人公が魔王側に付くという発想が面白いなと思いました。

主人公が魔王の手下として人間を滅ぼしにかかるという単純な内容でなく、まずは魔王軍の再編という地道なところから始まる点も良い点だと思います。

個人的に正体を隠しながら活動する最強の存在が大好きなので、そこも良いポイントでした。

②キャラクターが魅力的

最強の勇者というと作品によっては、結構癖のある人物が多く、性格のせいで主人公に寄り添って考えられないということがあったのですが、レオに関しては魔王軍に付こうとする理由も納得できて、それでいて強く人間を恨んでいないというさばさばした性格が良かったです。

四天王も全員特徴的で、自分を倒した勇者を恨んでおらず、むしろ魔王軍に入れるように協力してあげるところが優しくて面白いと思いました。

また四天王がただ戦うだけの存在ではなく、魔王軍を指揮して管理しているところも面白く、魔物のカウンセリングや福利厚生といった人間チックな管理をしているところも良かったです。

気になる点

①1巻時点では理解できない点が多かった

これは良かった点の②の裏返しですが、いくら勇者でも人々のために戦ったのに裏切られるというのは耐えがたいことだと思うのですが、レオはそこまで真剣に思い詰めていなかったのが不思議でした。何か隠された秘密があるのかもしれませんね。

四天王は勇者を受け入れてくれましたが、自分を倒した人物にそこまで恨みを持っていないのも不思議でした。

2巻の感想について