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疑似ハーレム 最終巻 感想

ネタバレ注意


「疑似ハーレム」の最終巻の感想です。

第111話「幕開け」

以前、瑛二は「凛の芝居ではなく、凛そのものが好き」だと伝えましたが、凛の演じる甘えんぼちゃんや小悪魔ちゃんは「私のことは振ったの?」と不満気。

そこで凛は、当日の買い物デートを”演じる自分たち”も楽しんでもらえるよう、芝居をしながらデートすることにしました。

まさにタイトル通りの“疑似ハーレム”ですね。これまでは瑛二のために芝居をしていた凛が、今回は自分自身のために楽しんでいるのが新鮮でした。

いろいろな顔を見せてくれる彼女というのも、読んでいて楽しいですね。

第115〜116話「波打ち際」「決着」

海辺のデートでは、波打ち際で遊ぶシーンが描かれます。

凛が冗談を言ったり、濡れてしまったり…ちょっとしたハプニングの中で、演じる“ツンデレちゃん”も登場し、瑛二への想いを素直に吐露します。

どんな凛も好きだと伝える瑛二の言葉に、二人の距離がより一層近づいた気がしました。

波打ち際でじゃれ合うシーンは、青春ラブコメらしいベタな展開ながら、二人らしい芝居を絡めた演出が微笑ましくて良かったです。

最後に見せた凛の笑顔がとても可愛らしかったですね。

第116.5〜120話「立案」〜「メッセージ」

演劇サークルのつーちゃんが、恋をテーマにしたショートストーリーを募集する企画に応募することになり、そのネタとして凛の“とある体験談”を参考にすることに。

凛本人は否定していましたが、思わずニヤリとしてしまうようなエピソードの再現でした。

凛が敬語に戻ったり、瑛二の呼び方が「七倉」に戻ったりと、初期のころを思い出させるような演出もあり、懐かしい気持ちになりました。

0話のような、1話以前の話ももっと見てみたかったです。

第122〜128話「一大事」〜「約束」

ショートムービーをきっかけに凛が注目され、芸能事務所からスカウトを受けます。

凛は、役者の道を選ぶか、瑛二との日常を選ぶかで悩みますが、最終的には瑛二と過ごす未来を選びます。

それに対して瑛二は、凛が夢を諦めずに済むよう、自分が裏方として出世し、同じ現場で一緒に働けるようになると宣言します。

凛はその願いを叶えてあげたいと願いますが、瑛二は「凛に追いついたら伝える」と答えるのでした。

やっぱり凛ちゃんは美少女だったんですね。演劇部に入ったのも、実は役者を目指していたからだと分かり、納得しました。

瑛二も、偶然とはいえ夜の学校に現れたり、その後きちんと裏方で出世していたりと、彼なりに凛を支える立派な存在でした。

最終話「愛」

仕事場で再会した二人。瑛二はテレビ局で働くまでに成長し、ようやく以前言えなかった「叶えてほしい願い」を凛に伝えることができました。

出会った頃の話も、もっと詳しく見てみたかったですが、作品としては綺麗に締めくくられていたと思います。

感想

鈍感な主人公と、ひたむきな恋するヒロインが、少しずつ距離を縮めていく…そんな一見普通の恋愛漫画のようでいて、1話あたりのページ数が短く、テンポよく展開するのが本作の特徴でした。

また、ヒロインに恋のライバルがほぼいないため、二人の関係性の変化に集中できる構成もとても良かったです。

優柔不断な主人公に悩まされる展開が苦手な方にも、この作品はおすすめできます。主人公に迷いがあっても、ヒロインは一人だけなので、読んでいてスッキリしますよ。

こんな青春を送ってみたかったなと思わせてくれる、理想が詰まった一作でした。

“男性のツボ”をしっかり押さえた、読み終えて心が温かくなるような漫画です。

5巻の感想について