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煙と蜜 1巻 レビュー


今回紹介するのは「煙と蜜」です。

大正5年、「花塚姫子」という12歳の娘と帝国陸軍の少佐である30歳の「土屋文治」は年の離れた許嫁で、文治姫子の家族と女中が住む家に訪れ、二人の関係を深めていくというお話です。

姫子文治にベタ惚れのようで、12歳という事もあり、文治に対して照れたり恍惚としていたりと、初々しい反応が多くとても可愛らしい女の子でした。

ただの恋する乙女と言うわけではなく、母や女中の助けになろうと一生懸命頑張る真っ直ぐで素直な子です。

文治は目の下にくまがあり、怪しさと少しの怖さがある見た目ではありますが、姫子の母や女中だけでなく、許嫁とはいえまだ子供である姫子にまで丁寧に敬語で話す紳士でした。

軍人であるにもかかわらず、部下にも気さくに接することができていて、慕われていていました。

なにより姫子に対する態度が非常に柔らかく、時折親のようなところもありますが、姫子に敬意をもって接しており、姫子を大切に想っていることが伝わってきました。

良かった点

①姫子がとにかく可愛い

②舞台が大正時代であること

汽車や香水、煙草といった「大正浪漫」が感じられ、和と洋のバランスが丁度良く、女性を今風の可愛らしい絵で見ることができながら、現代には無い恋の在り方やシチュエーションを見ることができる良い漫画だと思います。

大正時代には恋愛結婚というものはほとんどなく、家の都合で結婚させられるのですが、姫子の場合は文治を好いており、文治姫子を大切に扱っていて、大正時代には珍しい愛の育み方をしており良かったです。

③愛のバランス

姫子文治への憧れでもある恋愛感情の大きさが、文治を困らせるほどのやりすぎ感はなく、文治姫子への対する想いも、落ち着いた余裕を持つ男性の距離感の取り方の具合から、ゆっくりと大切に関係を深めていこうというところが伝わってきて、微笑ましく先の展開が気になるバランスで良かったです。

気になる点

①読む方には昔の時代であることを留意しておいてほしいです。

姫子の性格は、一歩引いて男性を立てるという「昔の」一般的な女性像なので、女性が男性を引っ張っていくお話を見たい人は注意です。

2巻の感想について