ネタバレ注意
今回紹介するのは「死に戻りの幸薄令嬢、今世では最恐ラスボスお兄様に溺愛されてます」です。
主人公の「オルタンシア・レミ・ヴェリデ」は、「デンダーヌ伯爵令嬢」暗殺未遂の罪により、斬首刑にされます。
これは冤罪であり、もう一度捜査をするように義兄の「ジェラール・アドナキオン・ヴェリデ」に助けを求めますが、『俺は一度たりともお前を妹などと思ったことはない』と見捨てられ、あっさり処刑されました。
次に目を覚ました時には、オルタンシアの父、かつて「ヴェリデ公爵」に孤児院から引き取られるところでした。
一周目の人生と全く同じことが起きていますが、食事の際にマナーを会得していたため、前回と違い教育係のアナベルに叱責されなかったことから、やり方次第で別の未来へ変えることができるかもしれないと予想します。
オルタンシアは「今度こそ処刑されず生き残るように立ち回るようにすること」を目的としました。
その為に、まずは義兄のジェラールと仲良くなることにしました。
ジェラールを味方にしておくことで、最悪1周目を繰り返しても、身の潔白を主張してくれる…はず…と思いました。
しかし、ジェラールはいつも眼光が鋭く、話すこともせず、冷酷な態度を取られます。
1周目の見捨てられた記憶がよみがえり、心が折れそうになります。
オルタンシアは洗礼式のために大聖堂に行きます。
洗礼式とは?
聖堂に一定額お布施をすることで神々の洗礼を受けることができ、加護を授かるという儀式。どんな加護を授かるかは本人の資質によるところが大きい。
そこでは洗礼名は文字数が多いほど加護を与えられるのですが、オルタンシアの前世の洗礼名は「レミ」でした。
しかし、今世ではジェラールと同じ6文字で「アルティエル」と言う名になっていました。
加護を授かる中、オルタンシアは女神と出会います。
女神が言うにはオルタンシアの死をきっかけに世界の均衡が失われ、多くの命が失われたため、オルタンシアを起点として時間を巻き戻したと言います。
死後、オルタンシアが無罪であることが判明され、聖女として列聖され王国は平静を取り戻したかに見えました。
しかし義兄であるジェラールはオルタンシアの無実を信じてあげられなかったことを悔やみ、デンターヌ伯爵令嬢との面会を拒否されたため、王族を含む数名を殺しました。
ジェラールの激情は魔人をも呼び起こし融合して魔王となり、世界を混沌に陥れたと言います。
女神はオルタンシアに強力な力を持つジェラールに寄り添い正しい道へ導くように言いました。
与えられた加護を使ってお付きのメイドであるパメラを救いますが、その過程でジェラールが助けてくれたり、希少な花をオルタンシアのために取り寄せたり…。
オルタンシアが思っているより嫌われてないどころか、むしろ好かれているような行動をするジェラールでした。
良かった点
①オルタンシアとジェラールの距離感が絶妙
ジェラールを恐れながらも少しずつ歩み寄るオルタンシア、接し方が分からないのか苦手なのか不器用な形で少しづつ歩み寄るジェラール。この二人が少しづつ打ち解け合っていく様を見てなんだか応援したくなるような気持ちになりました。ジェラールのオルタンシアへの愛は相当なものだったはずなので、前世と違い歩み寄ってくるオルタンシアにどんな反応を返すのか、大変楽しみです。
②オルタンシアの挙動がかわいそ可愛い
若くして処刑されたのか、割と考えることや、一挙一動が可愛くてちんちくりんなのもあってとっても好印象を持てます。主人公に対して好印象を持てないと、私はその漫画シリーズを読むことができないので、とても快適に読むことができました。頑張り屋で可愛いオルタンシア、ぜひ読んで見て下さい!
残念な点
①公爵という高い位故に障害が少なそう
とりあえず義兄のジェラールさえ何とか出来れば、この問題は終わってしまうのではないかと思いました。もちろんジェラールを魔人にしようとする輩などがいるかもしれませんが、妹を溺愛している以上、オルタンシアが無事であれば何も起こらず終わってしまいそうだなと思いました。
②絶対的兄パワーに納得いかない人もいるかも
あまりにもジェラールが万能すぎるので、主人公が無双する的な展開を望んでいる方には合わないと思います。