ネタバレ注意
「悪夢令嬢は一家滅亡の夢を見た ~私の目的は生き延びることです~」の3巻の感想です。
ギデオンは前回からファリティナに何度も面会にしに行きましたが、結局ファリティナのことを想って面会に行っているのではなく、自分の保身のために行っているようにしか見えませんでしたね。
ギデオンは自分がアマンダに寵愛を与えているという噂を、セリオンがファリティナに教えたのかと言っていましたが、海辺で二人きりになったり、パーティのエスコート相手になったりと、冷静に考えれば噂どころではない紛れもない事実だと気づきそうなものですが、ギデオンはそこに気づかないままなようですね。
そしてそのままファリティナに疑われていると気づいたギデオンが「自分とアマンダはそんな関係じゃない」と言っていましたが、王子という身分だと正しい男女の距離感を理解できないのでしょうか。
ガゼリの権益についてはギデオンは何も知らないようで、加えて鉱石横領についても何も知らないようだったので、ギデオンにはグランギエースを潰す意思はないようでしたね。
とすると何者かがギデオンにアマンダを差し向けた、という線はないのでしょうか。偶然にもアマンダという図太い人物が現れて、敵対派閥に都合のいい展開が来ただけなのでしょうか。
セリオンは最初全く興味を示していなかった弟妹達にも、ファリティナに影響されて良く面倒を見ているようでしたね。
セリオンは自分では弟妹達にファリティナと同じような愛情を与えられないと自覚しており、弟妹達だけではなく自分もファリティナの傍が安心できると考えていましたね。
ジュリアンやセアラもファリティナを心配しているということは、姉弟全員が絆で結ばれたと考えることが出来ますね。長子としての責任を果たしているファリティナは人間として優秀ですね。
ファリティナも自分の死が近づいていて、それに自分自身が抗うすべがないという絶望的な状況でも、セリオンを生かそうとしていましたね。
最初はファリティナは自分を愛してほしいと考えていましたが、今では自分の身を挺して弟妹達を愛して守っていますよね。もう自分が愛されることに諦めている感じがしますね。
グランギエースと身分が同等なバレルト公爵家の令嬢「パトリシア」が登場しましたが、彼女はセリオンの婚約者候補だったのですね。
ガウル公爵がバレルト派閥に属していることを考えると、バレルト公爵家が敵の可能性もなくはないのでパトリシアと婚約することは、敵に下ることを意味するような気がします。
横領を隠すことに協力することで、ファリティナを生かすことが出来るなら、グランギエース家がどうなろうと構わないとセリオンは考えているのでしょうね。
ギデオンはファリティナを救うためにセリオンに「自分を利用してくれ」と言っていましたが、全てを放り投げている感じがいいですね。完全にセリオンに任せきりというか、少しは責任を取って自分で何とかしようとしないのか…。
そしてついにジェミニは死んでしまいましたね。ファリティナに手紙を送っていた時は元気だったようですが、何らかの原因でまた容体が悪化したということですかね?
ジェミニの死をファリティナが知った時、果たしてどうなってしまうのか。次巻が待ち遠しいです。。
4巻の感想について