ネタバレ注意
「悪虐聖女ですが、愛する旦那さまのお役に立ちたいです。(とはいえ、嫌われているのですが)」の3巻(最終巻)の感想です。
3巻で最終巻となるのですが、お話としては途中で終了と言った感じですね。
シャーロットの記憶がないことを気づいていたオズヴァルト。ついにオズヴァルトはシャーロットに直接記憶がないということをと問い詰めます。
シャーロットは記憶がなくても自分は罪人であるから責任は自分が負うべきと言い、オズヴァルトには幸せになってほしいので、罪人である自分のことを好きだという感情を受け取らないようにしていました。
ハイデマリーと話をして、シャーロットが考えている「自分の存在のせいでオズヴァルトの未来を縛っている」ということが、オズヴァルトを本当に不幸せにしているのかを考え直すことにして、直接オズヴァルトに聞きに行くことにしました。
そこに友人であるイレーネに、聖女シャーロットなのかと聞かれ、答えに詰まりランドルフへのところへ向かう転移陣に囲まれて転移しました。
シャーロットは覚えていない罪まで背負おうとしている一人の少女という時点で、本当の聖女な気がしますね。オズヴァルトもそんなシャーロットの性格を見抜いたからこそ幸せになってほしいと思ったのでしょうしね。
イレーネは最後まで優しかったシャーロットを見て、転移陣から出そうとしますがそれなら様子を見てから転移陣を出せばよかったのでは…?やはり本物の転移陣をちらつかせないとボロを出さないと思っていたのでしょうが。
ランドルフがオズヴァルトを敵視している本当の理由は、実はオズヴァルドが王族であったからでした。自分の地位を奪われるかもしれないという恐怖心をオズヴァルトに抱いていたのです。
オズヴァルトは生まれた直後魔法を暴発させてしまい、母親を殺してしまった過去があり、それを国王が利用してオズヴァルトに非道な教育を施しました。
ランドルフとシャーロットのところにオズヴァルドが来て、激高したランドルフはオズヴァルトに魔法を連発し、魔力が枯渇しかけているオズヴァルトはやられそうになりますが、シャーロットからの魔力の供給でランドルフを倒すことに成功したのでした。
オズヴァルトもシャーロットも人を救うことを誰よりも考えていたのに、国王の契約魔術により互いに都合の良いコマとして使われてしまっていたということですね。
シャーロットは実は幼少期からオズヴァルトに恋心を抱いており、悪虐聖女として振る舞っていたのも自分への罰でわざと演じていたということは、記憶以外は本当は何も変わっていなかったのですね。
祖父の承認を得て自らも王位継承権を主張したオズヴァルト。この先は新たな争いに巻き込まれることになってしまいましたが、これからもシャーロットを守り、契約魔術を解く方法も探していくという終わり方でした。
一段落して終わり方としてはすっきりしたものでしたが、やはり途中で終わってしまうのはもったいないですね~。これからようやく二人が協力して新たな敵に立ち向かっていくという面白そうな展開を見られないのは残念です。
総評としてはキャラ絵も可愛く綺麗で、ストーリーも悪役令嬢モノの中でアクセントがあり面白く、全体的にクオリティーが高く完成度の高い悪役令嬢モノを求めている方にはかなりおすすめできる作品でした。