ネタバレ注意
「雇われ悪役令嬢は国外追放をご所望です」の最終巻の感想です。
ダンスの練習をして、ヴァイオレットは自他ともにダンスの才能はあると分かりました。
早速、社交界にて踊ろうと思いましたが、レイナード夫人から「貴方が「踊れない」ことに違いはない」と言われてしまいます。
その言葉の意味は、ヴァイオレットは悪役令嬢としての評判が広まっているため、誰もダンスの相手をしてくれないという事でした。
エリエット達にダンスができることを証明しろと言われたので、誰も自分を恐れてダンスに誘うことができないのですと返します。
そこにマティアスが現れ、一緒に踊ってくれたおかげで踊れないという噂を払拭することができたのでした。
ダンスの後、マティアスはなかなかヴァイオレットと会えないので、ヴァイオレットが落とした装飾品を、次に会う時に返すという約束を立てて次も会えるようにしようとしました。
ヴァイオレットはレイナード夫人が用意してくれた高価な装飾品を預けておくわけにはいかず、困っていると、マティアスは代わりにリボンを渡してきて、「次に会う時に、私に返しに来てくれれば対等だろうか」と言ってきました。
強引に約束されたことに戸惑っていると、アレンからマティアスに渡されたそのリボンは王族からの”約束”を示すもので、女性貴族に渡した場合は婚約を意味することもあると言われました。
マティアスがヴァイオレットにダンスを申し込んだ時点で、二人の関係はかなり深いところまで行っていると気が付きそうなものですが、どうなんでしょう。この状態でマティアスがヴァイオレットを断罪するという事は普通に考えるとないでしょう笑。
マティアスがヴァイオレットに会えず、ムスッとしていたのが可愛かったですね。表情には大きく出しませんが、効果音で表情を出しているのが可愛らしくて面白いですね。
さらっと婚姻を意味するリボンを渡すあたり、マティアスはやり手であることが分かりますね。天然だけど大胆!
リボンを受け取った者の決まりに則って、社交界にリボンを身に付けていくと、先日のダンスのこともあり、周りが礼儀正しく接してくるようになりました。
リボンを返そうとマティアスを探すのですが、マティアスはなかなか社交場に現れませんでした。
やっとマティアスが現れた時、リボンを返そうとしますが、マティアスはそれはまだ受け取れないと言い、さらにヴァイオレットを国王の元に連れていくと言いました。
ついにヴァイオレットが断罪されると周りに広まり、ヴァイオレットとアレン達も処罰を受けると思っていましたが、マティアスが国王の前にヴァイオレットを連れてきたのは、ヴァイオレットを妃に選んだと言うためでした。
ヴァイオレットは、庶民である自分が王妃になるのはまずいと言い、国王もマティアスに、ヴァイオレットは現王政反対の意見を散らすために悪役令嬢として雇われていたという事を打ち明けました。
しかし、マティアスは「今更無茶が増えたところで構わないでしょう」と言い、国王も婚姻を認めましたが、ヴァイオレットは国外で商人として暮らすという契約に反すると異議を唱えます。
それに対してマティアスはヴァイオレットに、王妃として国に留まってくれるなら、貿易に関する一切を一任すると言いました。
ヴァイオレットはその条件を喜び、契約を結んだのでした。
ついにヴァイオレットを妃として迎えると言ったマティアス。最初からもうこの展開しか想像できませんでしたが、最終巻にしてようやく両想い?になりましたね。
それにしても、自分を探して回るヴァイオレットを見るのが楽しかったって、ちょっと意地悪ですね笑。マティアスはヴァイオレットがわざと自分を避けていたことに気づいていたのでしょうか?
やはり、マティアスは最初木から落ちてきたのがヴァイオレットで、その後に会ったのもヴァイオレットだと気づいていたのですね。まぁヴァイオレットの化粧具合からすると、そりゃばれるでしょう…笑。
ヴァイオレット達は早速婚姻の儀を済ませました。
その後、ヴァイオレットは王宮で王妃としての勉学に励んでいました。ヴァイオレットは林業が盛んで、王宮でも使われるほど評判な高級家具を作るプラン辺境伯に目をつけ、マティアスに相談しようと考えたのでした。
社交場にて悪役令嬢の威圧感を使い、順調に情報収集を進めていましたが、突然何者かにワインをかけられてしまいました。
ワインをかけてきたのは、元妃候補であり、ヴァイオレットが目をつけていたプラン辺境伯の令嬢「アリシア」でした。
ヴァイオレットとマティアスは、マティアスの母の「レティシア」に会いに行きました。
レティシアは国の財政の無駄を切り詰めて、インフラ整備の予算を捻出するのが趣味という変わり者でした。
プラン辺境伯爵の元を訪れると伯爵から、婚約解消のわけを聞かせてもらいますかと言われますが、アリシアの言い分を聞くと、アリシアとマティアスは三度しか顔を合わせたことがなく、それなのにマティアスから好意を抱かれていると思っていたという事が分かりました。
これ以上話がこじれると困るヴァイオレットは、なんとなく家具を触りました。
アリシアが私の作品に触れないでと言ったことから、家具はアリシアが作っていると分かり、ヴァイオレットはアリシアに「貴方が欲しい」と言いました。
その言葉にアリシアは心打たれ、篭絡されてしまうのでした。
ヴァイオレットは、他の妃候補を退けてしまったが、この立場を誰にも譲るつもりがなく、自分の一生をかけて国とマティアスに富と幸福をもたらすことを誓うと言いました。
マティアスは「君のいう可能性を私との間に求めて、愛を誓ってくれないだろうか?」と返すのでした。
少しだけレティシアの話が出てきましたが、国王がマティアスに、自分に似ていると言っていたように、二人の出会いはヴァイオレットとマティアスの出会いに似ていましたね。
血が繫がっているから二人は似ているのは分かりますが、レティシアとヴァイオレットも似ているのが面白いですよね。
アリシアがヴァイオレットにワインをかけたのはすごかったですね。仮にも王族に害を与えるとは…。普通に極刑モノですよ…。
アリシアはあんなに盲目的にマティアスに惚れていたのに、ヴァイオレットから「貴方が欲しい」と言われ、コロッと落ちたのを見ると、もしかして惚れやすい人なのかもしれませんね。
最後、二人でお互いの一生を手に入れたことで、どちらが商才に長けているか話し合っていましたが、最終的にマティアスがヴァイオレットに譲ったのを見て、この二人は良い関係が続けそうだなと思いましたよね!
したたかな前向きな鈍感女性主人公と天然な男性相手役という感じだと思ったので、ヴァイオレットが強気でぐんぐん引っ張っていくお話なのかなと思いましたが、後半に連れてマティアスがヴァイオレットを振り回すようになって、面白さが格段と上がりましたね。
全体的に見ると短い内容で完結してしまいましたが、すっきりした完結の仕方だったのでとても良かったです。
普段あまり漫画を読む時間がないという方にオススメできる良い漫画でした!
2巻の感想について