ネタバレ注意
「悪役令嬢、ブラコンにジョブチェンジします」の最終巻レビューです。
アレクセイはエカテリーナを泣かせてしまったことを後悔しており、授業でも上の空になってしまいます。
そこへ見かねた「ニコライ・クルイモフ」という、アレクセイを「公爵」とあだ名のように呼ぶ唯一の人間が声をかけてきます。
ニコライからエカテリーナにとってフローラは初めてできた友達になるのではと言われ、さらに身分違いを排斥するのは祖母の考えに染まっていたことに気づきます。
ニコライは心配なら明日にでも少し話してみたらどうだとアレクセイに言うのでした。
ニコライも妹が居るからこその良いアドバイスをしてくれましたね。ちゃんと同じようにエカテリーナのことを考えようとしてくれるのが分かりますね。
アレクセイにフローラがエカテリーナにとっての初めての友達だということに気づかせてくれたり、たびたびアレクセイにも気にかけていますから、ニコライは重要キャラになりそうですね!
エカテリーナは身分についての前世とのギャップとフローラに自分と付き合わないほうが良いと言われ、さらにアレクセイにも言われたことでショックを受けました。
ゲームの正解ルートでヒロインであるフローラは、相手を思うがゆえに身を引くことがあり、今回もエカテリーナのことを思って身を引いたと考え、ゲームでの皇子がフローラを追いかけたように、エカテリーナもフローラを追うことにしました。
アレクセイに対しては、母をいびり倒した嫌悪の対象である祖母と同じと言ってしまったことで、アレクセイを傷つけてしまい、そのせいで嫌われてないかが怖いから、エカテリーナは、今くよくよしていることに気づきました。
エカテリーナは無事アレクセイに謝ることができ、アレクセイもエカテリーナにとってフローラは初めてできた友達だということに気づいたから、学園で過ごす間くらいは付き合っても良かったと考慮すべきだったと言ってくれました。
エカテリーナは自覚のあるブラコン故に、すぐにアレクセイにくっつく癖がありますね。それを喜んでいる?アレクセイのことを考えると、この二人は何があっても、ちゃんと話し合いができる良い関係だなあと思いました。
こうして無事に兄妹の仲を戻すことができたので、次はフローラの元へ向かいます。
エカテリーナはフローラにアレクセイの判断が変わった事、フローラと純粋に喋っていて楽しい、気が合うから友達になりたいと思っていることを伝えます。
泣きながら受け入れてくれたフローラを部屋に誘い、夕食を食べた後、エカテリーナは自分の事情を全部話し、貴族との付き合いがないから、下手に付き合って公爵令嬢としての品格を疑われるのが怖いとも付け加えることで、フローラが引け目を感じて離れると言い出さないでくれると思いました。
エカテリーナが元アラサーで良かった点が出てきましたね。フローラを精神的に支えてあげられますからね。責任感と言うか余裕が見られますね。私はまだ全然余裕ないので、すげー!と思いました。
今まで読んできた作品の中で、一番ヒロインと悪役令嬢の仲が良い作品かも知れませんね。この先の展開が楽しみです!
植林についてアレクセイとフォルリが話しているのを聞くと、「森の民」という少数民族がいることを知り、さらにはその部族の長がフォルリの奥方だと言われました。
エカテリーナたちが作っていたパイをフォルリが食べると、懐かしい味がすると言い、フローラがそれはナターシャ・チェルニー男爵夫人のレシピだと言います。
実はナターシャの夫であるヨシフ・チェルニーとクラスが同じで、ヨシフとナターシャの駆け落ちのお膳立てをしたのはエカテリーナ達の祖父セルゲイだったと言います。
アレクセイはフォルリに何故先日、祖父とチェルニー男爵の件を言わなかったのかと問いましたが、セルゲイとの関わりがあったからフローラを特別扱いするのはどうかと思い黙っていたと言いました。
悪役令嬢の祖父とチェルニー家の関係はゲームではどんな風に影響していったのでしょうか。完全に隠された要素だったのでしょうかね。
初めての魔力制御の実技授業の日が来ました。この日はゲーム通りにいけば魔獣が出現し、クリアしなければ皇国滅亡フラグが立つというものでした。
ゲーム通りに魔獣が出現し、同級生を逃がす為、土属性の魔法を使い、エカテリーナは一人、魔物と戦います。そこへアレクセイとミハイルが駆けつけます。
魔獣の体内にある「魔核」を破壊して倒すのが一般的ですが、この魔獣は心臓に魔核がない個体だったので、地中に閉じ込めて動きを封じることにしました。
いきなり魔核が破壊できない魔獣が来るのか…と思いました。ゲームで言うならチュートリアル戦闘ぐらいだと思うのですが、違うのでしょうか。本来エカテリーナは来なかったとして、戦えるのはフローラ、アレクセイ、ミハイルの3人になることになりますよね。かなり厳しい戦いになったのではと思いますが…。
無事に封じたように思ったのですが、魔獣は不意を突いてアレクセイとミハイルを狙っていきました。
それをエカテリーナは2人の周りに土壁を作り、2人を守りましたが、今度は打つ手なしのエカテリーナへ魔獣が向かってきました。どうにもならないと思ったところに間一髪フローラが助けてくれました。
フローラがエカテリーナを守ったことにより、ユールノヴァが正式にフローラの後ろ盾についたことで、フローラの学園生活は安泰になるだろうとミハイルに言われます。
ミハイルにエカテリーナが一人踏みとどまったことで犠牲者を出さずに済んだと褒められ、さらにこれからは殿下じゃなくミハイルと呼んでくれないかと言われます。
これは本来ゲームでヒロインに言うセリフで受けかねているとアレクセイが止めにきます。フローラにも友達としてミハイルと呼んでほしいと言い、エカテリーナは自分とフローラにも「嬢」と付けず、名前で呼んでくれれば嬉しいと返しました。
ミハイルはエカテリーナのことをちゃんと褒めたのは良かったと思いました。素直にうれしかっただろうしグッジョブですね。
最後、アレクセイだけでなく、フローラでさえもエカテリーナ好き好きでミハイル警戒みたいになっているのは笑いました。ミハイル可愛そう笑
その後アレクセイに「立派だったが同時に無謀だった」と言われ、「お前に何かあれば私も生きていられない。お前が私の生命だ」「お前は私の命を握っていることを忘れないでくれ」と泣きながら言われます。
泣かせたことに焦り、必死に謝るエカテリーナでしたが、そんな様子を見て、アレクセイに笑顔が戻るのでした。
前回はアレクセイに謝ったとき、しおらしく謝っていましたが、今回は勢いで必死に謝りましたね。どっちにしても二人の距離はめちゃくちゃ近いので見ていて微笑ましいです。
クラスメイトとの関係も変わり、魔獣から助けた「マリーナ・クルイモフ」「オリガ・フルールス」にお礼を言われ、エカテリーナたちはこれからは親しくしようというと周りからも声がかかるのでした。
「マリーナ・クルイモフ」とはニコライの妹なんでしょうか。ニコライにめちゃめちゃ言われてましたが、どんな性格なのか楽しみです!
前世でありえなかったものが普通にあって、シナリオ通りのイベントも必ず起きるけど、前世と同じく人は生きてて、人と人の関係は接して話して変わり得るもので、破滅フラグは怖いけれど生まれ変わった新しい人生、ゲームの世界らしいのに、生きてる実感をすごく感じてるとエカテリーナは思いました。
この文から生きている実感がある。充実している。というように取りましたが、これからも何があっても対処できそうですね!玄竜等の問題点などは描かれませんでしたが、この短い中でいい感じにお話をまとめられたと思います。願わくばまた続編が出ると嬉しいです。