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【たくましすぎる主人公】ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~ 2巻【逆転系漫画】

ネタバレ注意


「ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~」の2巻レビューです。

玲琳は、前巻で莉莉慧月(中身は玲琳)をいたぶるように命じ、騙した「金家」の「雅容(がよう)」と「金家」の雛女「金 清佳(きん せいか)」に落とし前をつけに行くことにしました。

慈愛の心を持つ玲琳が、あんなに好戦的になるのが面白かったです。とにかく自分の手で落とし前をつけようとする。他人のためならちゃんと怒ることができる人物なのですね。

一方、体を入れ替えた慧月は、病弱な玲琳の体に苦しみます。玲琳の前に道術で現れ「息ができない」と言うと、玲琳は過呼吸に対する対応と薬の在処を教えます。

慧月はなんだかんだで玲琳に助けを求めてくるあたり、心のどこかで信頼しているんだろうなあと思いました。玲琳の病弱な体は玲琳の皇后陛下からも認められた「根性」を持つ者にしか耐えられないということですかね。

玲琳は健康な体とかけがえのない経験の数々をくれた慧月に感謝し、入れ替わりでなくきちんと会ってお話しできませんかと言うも、拒否されてしまうのでした。

体調さえ回復したらようやくいい思いができると言っていましたが、果たしてそうなのでしょうか。なんかあまりうまくいかなさそうですよね。展開的に…。

莉莉雅容の女官同士ではつけられなかった決着に落とし前をつけるため、3日後の「中元節の儀」に出ることにしました。

「出なくていいということは出てもいいということです」という病弱だった時の儚い玲琳とは違い、闘争心むき出しのおしとやかな爆弾ができてしまいましたね笑。

莉莉を上級女官にふさわしい銀朱を纏えるようになるために鍛錬し、玲琳莉莉から莉莉の母親の舞「胡旋舞」を教えてもらうことになりました。

ある意味話が通じないところがある玲琳ですが、入れ替わる前も心配させないようとにや気を遣って我慢していたところがあるのでしょうか!他人にも自分にも全力で楽しいですね。籐黄の衣をまとう~と言った玲琳で、籐黄色は黄麒宮の色だと違和感を感じた莉莉でしたが、こういう細かいところから中身は玲琳だということに気づいてもらえそうですね!

そして2日後、「中元節」がきて、「金家」の雛女「清佳」に清佳の奉納の舞が終わった後、舞の報酬として以前、雅容から渡されたかんざしを返すのでした。

玄家」の「玄 歌吹(げん かすい)」と「藍家」の「藍 芳春(らん ほうしゅん)」が玲琳から薬玉を渡され嬉しそうにしている所が可愛かったです!

その際、女官から莉莉を貶める発言があったと玲琳は怒り、莉莉に対して謝罪を求めますが、母子と等しい関係の妃である「朱 貴妃(しゅ きひ」から儀の進行を妨げ、他家に喧嘩を売るなと宮に下がるよう忠告されます。

気が弱くあまり人に強くモノを言えない貴妃と言われていましたが、自分とこの雛女には強く言えるんかーい!と思いました。結構残念。

玲琳は見事な胡旋舞を踊り、清佳から謝罪の言葉を受け取ったまでは良かったのですが、金家の白練の中には雅容という名前の者はいないと言われます。

清佳は一瞬玲琳と見間違えますが、やはり見た目が慧月でも結構すぐばれてしまうものなのですね。雅容が居ないとなると金家の仕業ではない…?どういうことでしょう。

その最中、冬雪筆頭女官がきて、皇后陛下玲琳が苦しんでいるので黄麒宮へ戻るように言います。

絹秀は思ったより玲琳の容態に対して驚きませんでしたね。それどころか少し諦めが入ったような潔さと言うか不思議な感じでしたね。今(体が入れ替わる前)の時点では玲琳との関係はどうなっていたのでしょうか。

皇后である「黄 絹秀(こう けんしゅう)」に玲琳(体は慧月)は、慧月(体は玲琳)の看病に行かせてくれと言いますが、皇太子からも黄麒宮からも信用がないと言われ、絹秀から「破魔の矢」を一晩中引きつづけろと言われます。

無茶ぶりに対して、またもや嬉々として困難に立ち向かっていく玲琳。知識もあり礼節もあるのにド根性もあるとか最強すぎる主人公。

玲琳はこれをやりがいのある挑戦と受け取り、言う通りに一晩中弓を引き続け、慧月(玲琳)が目を覚ますのですが、今度は無理をした玲琳(慧月)が倒れてしまいます。

ついに玲琳は倒れてしまいます。そりゃ徹夜して、重労働して、あげく拷問と言われるくらい弓を弾いていれば、いくら精神が強くとも体がついていけませんよね。「健康になりたい」と願ったというよりも「楽になりたい」と、この玲琳が思ったほど病弱な体での生活は計り知れないほどつらく苦しい状態だったのでしょう。

尭明皇太子玲琳と初めて会ったのは5年前で、尭明は女の執念深さ、陰湿な貶め合いの厄介さを知っており、生まれながらに龍気を纏っていた尭明は幼少期からあらゆる人間に執着されてきました。

尭明は媚びてこず、同じ心を装う者同士として、玲琳に惹かれていったのでした。

前巻だけ見ていたら尭明のせいでこうなったんやん!と思いましたが、もちろん彼にも彼なりの苦悩と苦労があったのですね。その中に玲琳が来たらコロッと惚れてしまうのも分からなくもないです!

玲琳は目を覚まし、玲琳がいる追放先の廃食糧庫に冬雪がやってきて、冬雪慧月(玲琳の体)は意識を取り戻し、玲琳が渡した薬も飲んでもらえ、さらに快方に向かったことにより、もう破魔の矢は引かなくて良いと知らせました。

止血布の巻き方や相槌の打ち方、微笑み方、癖などから玲琳慧月に体を入れ替われたことに確信しました。

冬雪の様子がおかしいと思ったら、入れ替わりに気づいていたのですね!一体どうして道術を知らないはずの冬雪が「入れ替わり」という発想が出てきたのでしょう。次の玲琳の反応が気になりまくりです!!

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