今回紹介するのは「聖女はとっくに召喚されている。日本に。」です。
魔法や魔獣が当たり前に存在する「ウジェ王国」の国民である「アレクサンドラ・オリエール」が「夏川レイ」という名前で、日本のキカワ金属という町工場の事務員として過ごしていくというお話です。
アレクサンドラは魔力が高く、治癒魔法使いとして国立治療院に務めており、穏やかな家族と幸せに暮らしていました。
しかし、ウジェ王国では60年に1度、強い魔力を持つ若い女性が異世界へ連れ去られる現象があり、今回はアレクサンドラがその対象になってしまい、日本に召喚されてしまいました。
事務員になる5年前、海岸に意識不明で発見され、魔法の存在など自分の世界や自身を説明できなかったため、記憶喪失と言うことにしました。
アレクサンドラは異世界から来たことや魔法使いであることは誰にも話しておらず、細かいことは「記憶がない」で通して生きてました。
日本特有のたくさんの神様が存在するという風習、人の心が作り出す禍々しい何か、自身の持つ魔法と、3つの不思議な要素を持ち、感じながら生きていく内容です。
良かった点
①平凡な日本人として暮らしている
魔法を人に使い、特別な地位についたりすることもなく、我々のように普通の一般社会人として生きていくという内容は、とても親近感がわいて良いと思いました。それだけでなく、科学では説明できないような何か(魔法のような)が存在しているというスパイスを入れることで、普通の日常漫画にはない面白さがありました。
②異世界成分と現代成分がちょうどいい塩梅
なんとなく不便のない社会生活を送っている中で、少しだけ不思議な現象に関わったりするのですが、その割合が良くて日常も非日常もかけ離れたものとしてではなく、あくまで現代の人の心から起きることというスタンスでいるので、私自身が好きな内容に近く個人的に良いと感じました。
残念な点
①どこまで魔法を使っていいのかというのが良くも悪くもアレクサンドラ次第
現代日本において異質なアレクサンドラの魔法ですが、それを少しづつうまい具合に使っていけているのですが、非常事態に陥ったとき、果たしてどこまで魔法を使うのかが気になる点でした。