ネタバレ注意
「ヘテロギニア リンギスティコ ~異種族言語学入門~」の6巻の感想です。
今回も魔界の過酷さが良く表れていましたね。
ケクーとドラゴン(氷の人)は子供を作ることにしたみたいですが、ケクーは確か弟だったはずだからオスですよね。
というかドラゴンがメスだったとしても、種族が違うのに交尾できるのでしょうか…?リザードマンは比較的ドラゴンに近いですから可能そうではありますが。
ドラゴンは水の底から流氷を見るために一緒に来ましたが、水の底へ沈むと死んでしまいます。
ケクーはそれを止めようとしましたが説得に失敗してしまい、代わりにドラゴンと子どもを作ることにしたようですが、子どもは子どもで、ドラゴン(氷の人)ではないということは分かっているみたいでしたね。
ケクーは哲学者に向いているかもしれませんね。魔物の哲学者なんて存在が出来れば、また一段と深いテーマが生まれそうですよね。
ススキはハカバが水中に引き込まれた時、水に飛び込んだようですね。結果溺れてしまいカシューが助けたようですが、過酷な道を進んできたのもあって限界だったのでしょう。
ぐてーっとなってへにょへにょになってしまったススキを見るのがとても辛かったです。熱ではないことを考えると過労の可能性が考えられますね。
「良くなり方を多く知っている人」は「悪くなってるのを見るのが好きな人」だとモウは言っていました。
カシューの話を聞くと単に過保護すぎる人?だと捉えられなくもないですが…?
モウは悪くなってるのを見るのが好きな人は、私とセンセイと話が合うと言っていましたから、意思疎通は可能だということになりますよね。それなら希望はありそうですが。
新しくサテュロス(ヤギ)が同行することになりましたが、彼は一体最後まで何を伝えたかったのかが分かりませんでしたね。
一見すると迷惑な人でしかないのですが、ハカバの名前を呼んで何か伝えたりしようとしていたことを考えると、言語さえ通じれば何か役立つ情報をくれていたのかもしれませんね。
魔物が死んだ魔物を食べるのは、イナゴのような害虫が死体を食べに来て、どんどん増えるというのも原因の一つのようですね。
この巻では、たびたびススキを食べるというのが現実味を帯びてきていて、悲しい気持ちになってました。ススキにとっては自分を食べてほしいのかもしれないけど、こんなに一生懸命で優しい子の死体を食べられるわけないですよね…。
カシューに追いついたとき、カシューが「センセイとススキと居るのが良い」と言ってくれたのは嬉しいですね。ハカバのことだけじゃなく、ちゃんとススキのことも考えていてくれているところにうるっときました(泣)。
サテュロスが最初に渡してきた葉は、害虫対策用のものだったのですね。足跡を残してくれたことも考えるとやはり協力的ですよね。
探していた人は死んでいて会えませんでしたが、ススキが回復していたようで本当に良かったです。
ススキは運んでもらうのとチーズを貰うのが好きだったので、自分で歩かなかったようですね。そんなのいつでも運んでくれると思うから、ススキは普段からもっと甘えていいのにと思いました。
なぜ回復したと言わなかったのか、と言いたくなる気持ちもありますが、それよりもとにかくススキが死ななくて良かったです~~泣。
最後出てきたおじさんは一体何者なのでしょうか。「おれがだれだかわかるよな」と言っていたので、少なくとも教授の知り合いではありそうですよね。
次巻、このおじさんは魔界で一体何をしていたのか気になるところです!
7巻の感想について