ネタバレ注意
「ヘテロギニア リンギスティコ ~異種族言語学入門~」の4巻の感想です。
今回は内容が難解で完全には理解できませんでした。
私が解釈した教授の手記の内容は、
A.人間と魔物の現状の関係が魔物側は把握していないこと。
B.人間との戦争は大きな一つの争いがあったという認識ではなく、各地で起きた別々の争いとして認識されていること。
C.魔物たちは伝達手段が増えてほしいと考えているが、種族間での共通言語には興味がない?
と言った感じなのでしょうが、どうでしょうか?Cに関してはあまり自信がないので、もやもやしています…。
ハカバ達のような学者は、魔界が人間に資源として認識されている現状を変えたいのでしょうが、魔物側が無防備すぎてどうするか考えているようですね。
個人的にも魔物は優しい人たちばかりだったので、資源扱いはしてほしくないですね。
モウの住む集落に案内してくれた人(ハーピー)の怪我した足の世話をするようになってから、そのハーピーと深くかかわるようになったハカバ。
ススキからは、ハカバがハーピーを妻にする気だと思われていたのでしょうか。ケクーの時のように鱗を綺麗だと褒めたわけではないので、接している行動や態度からそう思われたのですかね?
ハカバはハーピーの家の近くに葬儀用の準備がしてあったから、ハーピーのことを気にかけていましたが、実際は葬儀用の準備ではなく狩りの道具だったとありましたね。勘違いによる交流が求愛に見えてしまったということですか…。
「キノコの人」が言っていた「私は広く歩き回る人です」というセリフ、別に意味は通じるんですけどなぜか笑ってしまいました。キノコの人はウタツに来たばかりの時の家で出会った人ですね。
巨大中を狩る前に「焼く人」が死んでしまったのが残念ですね。結構登場していて、馴染みがあっただけに悲しいです。
焼く人の印が狩りを阻害したからなのか、死体が狩りを阻害したのかが分かりませんでした。焼く人がキノコの人に大切に思われているのを知って泣きそうになりました。
魔界でススキ以外の、初めて人間の言葉を話す「エンコバナ」に出会いました。ハーピーと人間のハーフのようですね。幼少期は人間界にいたようですが、なぜ魔界に来たのでしょうか。というかそもそもどちらの世界で生まれたのでしょうか?
巨大虫を倒したあたりで「歩く」=「大人」の意味だということに気づきました。ちょっと遅かったかな…。
ハカバが「混ぜる奴」という名前になっていたのも面白かったです。しかもその後うんこ混ぜてって…笑。
人間と魔物の争いは戦争などではなく、人間が一方的に魔物を倒していっただけだったということでしょうか。
魔物が人間を敵視していない理由も、過去に魔物が起こったことを説明する手段(物語)がなく、物語がないことによって「人間は敵だ」ということを共有していないからということでしょうか?
しかしススキの母の「枯れ草」達は、過去に村にいた人間がワーウルフ達に敵意を持っていたという事実を理解していますよね。ということは戦争?に勝利した場所では「人間は敵だ」という知識が知れ渡っているということですかね。
グージはどうやってこの現状に未来を見出したのでしょうか。モウはどこでこの手記を手に入れたのか。次巻が気になります!