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おとなりの天涯 2巻(最終巻) 感想

ネタバレ注意


「おとなりの天涯」の2巻の感想です。

2巻では、タカラハラと現世の関係が発覚します。

森に「何か」が居たため、急いで戻ってきたタカラハラの民たちでしたが、その際にタカラハラの生活に不可欠な「アラバリン」という石が、タカラハラ中のどこかにばら撒かれてしまいました。

ルノコイチは全部で60個あるアラバリンを夜までに集めることにしました。

アラバリンを手に持っていましたが、食べ物が焼けたりする石なのに熱くないのでしょうか。普通の石だと夏に日光に当たっているだけでも、やけどするくらい熱いのでどういう原理なのか気になりますが、そこが面白い設定ですよね。

力の強さで温かみが増すとコイチは言っていたので、かなりの温度差が出せるということなのでしょうか。不思議ですね!

コイチ達には「お金」という言葉だけが聞こえないのは何故なのでしょうか?ルノがタカラハラに来たら、お金という概念も忘れるという感じならなんとなく納得するのですが…。

アラバリンを見つけ終えたので、二人で風呂に入っていると、突然大きな地鳴りが起きました。

揺れの原因は、タカラハラの民ですら知らない、謎の巨大生物によるものでした。

一度、ルノは巨大生物につぶされて死んだと思われましたが、寝るのと同じように、どうやら死んでも現世に戻るようでした。

現世で巨大生物が「イカ」に似ていることに気が付いたルノは、イカの「強い光に惹かれて寄ってくる」という特性を生かして、ライトで巨大生物を照らしますが、それによってイカに傷を負わせることができました。

しかし、その後は動きまわる巨大生物になかなか光を当てられなくなり、残り電池がギリギリになってしまったので、あきらめかけるルノでしたが、コイチが巨大生物がアラバリンに反応していることに気づいて、アラバリンを餌にすることで、光を当てられ倒すことができたのでした。

ルノはよくあの状況で、巨大生物が「イカ」のようだと気づきましたね。規格外の大きさでさらに一度殺されたという状況ならば、冷静さを失ってしまうのが普通だと思いました。

ほのぼのとした日常漫画だと思ったら、急にシリアスなお話が出てきましたね。最終巻ですから仕方ありませんが。

現世の会社でうまくいっていたルノは、コイチに早く会いたいと思っていると、会社までコイチが来たのでした。

コイチは会社の人たちからとても可愛がられましたが、ルノコイチがほかの人たちと仲良くしているのを見て、「コイチがほかの人と仲良くするのがちょっとヤだった」と言いました。

そのルノを見てコイチは可愛いと思い、会社の人たちにも可愛くなったといわれるルノでした。

ルノの気持ちを察することができるコイチはやはり聡いですね。普通はすれ違いが起きそうなものですが…。

コイチはタカラハラの馬に乗ってきたようでしたが、警察に見つかったりしなかったんでしょうか。

コイチは民たちに、ルノと異国の友以上の中になりたいから、ルノを「妹」にする、と決め、二人は姉妹になるのでした。

コイチが姉でルノが妹ですか。こういう見た目が逆転した関係っていいですよね。でもコイチルノを「ねーちゃん」と呼んだのが、想像以上に可愛くてグッときました。

タカラハラの民から見ても、ルノは妹に見えるらしいのですが、どういうことなのでしょう…?

ルノは現世でかわいい服を見て、コイチに着せたいと思うのでした。

コイチを見せに連れて行って、色々着せてみるのですが、コイチはいつも着ている衣が一番というので、自分の服を貸すことにしたのですが、コイチルノの服も選ぶといい、結局二人は同じ服を着て帰ることになりました。

コイチのいろいろな衣装お披露目会でしたね!

ルノが自分で選んだ、もこもこの服が一番コイチに似合っていたと思います。ペアルックで歩く二人にとても癒されました。こういうの大好きです!

ルノコイチに甘やかされるのがとても癖になり、コイチに褒めてもらうために仕事をいっぱい頑張り、帰って褒められるためにタカラハラへ行こうと思ったら、いつも開いているタカラハラへの道が開いていませんでした。

甘やかしてくれる小さい姉という属性は一部の界隈に大きく刺さるような、罪深き設定ですね。私もかなり良いと思います。普通に居てほしいです(コイチのような性格だからこそ良いのですが)。

空に「ソラノヒトエ」という光が出たので、タカラハラ最奥の社で祭りをする準備をすることにしました。

ルノは会社で上司に呼び出され、今までキツく当たっていたことを謝罪されるのでした。

帰ってくると、タカラハラへの扉が開いていて、コイチと会うことができました。

今まであんなにひどい扱いを受けてきたのに会社を辞めずに、自分が頑張ることで会社自体の雰囲気をよくして行けたのは本当にすごいですよね。

ルノはタカラハラへの道が消えないようにする手掛かりを探すため、しばらくタカラハラで生活するために寝ずに過ごしていこうとしますが、やはり無茶だったようで別の手段にすることにしました。

携帯を持っていけるのはすごいですね。植物とかの写真を撮れるということは、コイチとかの写真も撮れたりするのでしょうか。

もしも会えなくなった時のために、一緒にいる写真や動画をたくさん撮っておきたいですね。

タカラハラと日本の道が途絶えかけているので、コイチは手掛かりを得ようと今まで読んでこなかった本を読みますが、コイチ達に読めない本が出てきたので、試しにルノに読んでもらうと、日本語で書かれていることがわかりました。

そこから分かったのは、ルノは過去から来たこと」「タカラハラは未来の世界」だということでした。

コイチルノを送る門出の祭りを行うことにしました。

全く別の世界のお話かと思っていましたが、過去と未来のお話だったのですね。結構ほかの漫画でもありますが、未来は文明が衰退するという説が出てきますよね。

私もそれはあり得ないことではないと思います。便利になりすぎて、問題が増えた世界中の人々はわざと文化レベルを落としていくということも考えられなくはないですからね。

タカラハラと同じ時代の遠い別の国では、文明が発達しているかもしれませんからね。

最終話の感想は伏せさせていただきます。ご了承ください。

全体の感想ですが、やはり全2巻というのはあまりにも短いですね!雰囲気が個人的にとても好みだったので残念でした。

タカラハラと日本の関係をこんなに早く明らかにしてしまうのはもったいないですよね。あとは「お金」という言葉がコイチ達に聞こえない理由とかも知りたかったですね。

もっと現代で服を探したり、タカラハラで収穫を手伝ったりするような、ほのぼのとした日常を続けてほしかったです。

ルノがタカラハラのコイチ達を通じて、成長していくという話の進め方はとてもいいと思いました。

コイチ達が最後まで、ルノが持ってきた便利なものにあまり触れなかったのも、自分たちの文化と生活を大切にしているのが伝わってきて良かったです。(醤油やスマホを見るコイチは可愛かったですが)

癒しと心温まるお話を読んでみたい方には、是非お勧めしたい作品でした!

1巻レビューについて