ネタバレ注意
「元、落ちこぼれ公爵令嬢です。」の5巻の感想です。
ヴィーク達からリンデル島の聖泉を埋め立てようとしているのは、ミード伯爵家だと聞きます。
前世と違う展開はありますが、同じようにヴィーク達4人と一緒に会えたり、過去にリュイに教えてもらった加護の魔法を現在のリュイに褒められたりと、良いこともあってよかったですね。
王宮にてヴィークを見かけましたが、その隣には知らない男がいました。
ヴィークはその男を兄上と呼んでいました。オスカーによると「オズワルト」という第2王子らしく、複雑な事情を抱えているとのことでした。
実際にはわかりませんが、とりあえずの表面上は兄弟仲は良いようですが、周りの空気が張りつめているということは、少なからず派閥の対立が行われているという事でしょうか。
離宮で過ごしていると、10年に一度の式典があると侍女のソフィーから聞きます。観に行かれますかと言われ、断ろうとするのですがリュイが案内するというので行くことにしました。
リュイからオズワルトは、万一を危惧した国王が臣下に下賜した側室の子だと聞きます。
クレアから見るとオズワルトがヴィークに向ける視線は穏やかで優しいものだと感じるのでした。
リュイが案内を申し出てくれたのは、クレアの魔法がきれいだからだと言われました。
前回のヴィークはオズワルトについて何も触れず、何のそぶりも見せなかったですが、あそこまで親しくなって何も知ることができなかったという事があり得るのでしょうか?今世になって急に現れた存在と言われてもおかしくないような…。
再びリュイと親しくなれたのは嬉しいですね。前世も1、2を争うくらいクレアのことを想っていましたからね。読者としてもうれしいです。
クレアはオズワルトが1年後に居ない理由、ヴィークの人生の裏について考えていると、オスカーが部屋に訪ねてきます。
オスカーはクレアの知性や人間性を評価していました。しかし、洗礼後の周囲からの扱いを反論せず受け入れるならそれまでだと思っていたと話します。パフィート国で前に進もうとしていることを誇りに思っていると言ってくれたのでした。
前世でもオスカーは洗脳されていたわけじゃなくて、ただ見限っていただけなのでしょうか。確かにクレアはもう少し反論すべきだったかもしれなかったのかもしれませんが、明らかに様子のおかしい洗脳された人々に気づかなかったオスカーにも落ち度があると思いました。
翌日、王立学校へ登校する途中、誰かと密談しているオズワルトと出会います。その場では特に何もなく話し、密談していた相手もいつの間にかいなくなっていたのでした。
密談していた相手も王国の制服を着ていたように見えましたが、なぜ黒いローブをかぶっていたのでしょうか。逆に怪しまれますよね笑。
馬車が足りないという事で、ヴィークと共に登校したクレア。「賓客対応の令嬢」とされていることで目立ってしまいました。
そこへ、またもリディアに話しかけられ、今世でも友人になるのでした。
リディアは前世でもクレアの話をヴィークから聞いていたのですかね。ここも前世と変わらなくて安心しました。
ヴィークに高位魔法を使うところを見られてしまいます。15歳になって魔法が使えるようになったばかりなのに、浄化魔法を使えるのは説明がつかないと言われます。
クレアは自分の魔力が低いとみなされたことで、アスベルトが想い人と結ばれたので、このことは実家には内緒にしてほしいと言いました。
ヴィークも先生も魔力について黙ってくれていることを考えると、クレアの事情についてなんとなく察しがついているのかもしれませんね。
数日後、1度目の人生でシャーロットが使っていた、魔力による洗脳について個人レッスンを受けていました。
そこにはクレアが高位魔法を使うところを見たいという事でヴィークがいました。
先生からヴィークを魔力洗脳するように言われ、魔法をかけますが、クレアにためらいがあったため洗脳が発動しませんでした。つまり、シャーロットは強い意志を持って周囲を洗脳していたことが分かりました。
洗脳は解けるようですが、上位の「魅了」は解けないらしいとのことですが、アンから勉学を教わったシャーロットなら使えるようになっているかもしれませんね。
夏季休暇が明日で終わるころになり、ヴィークからディオンが転入してくることを聞きます。
クレアはディオンの魔力を侵食したことから、以前の世界でディオンも意識がなくなりこの世界へ連れてきたのかもしれないと思いました。
学校でディオンに遭遇すると、クレアを見た時に明らかに動揺している様子を見て間違いなく2度目の人生を送っていると確信します。
ディオンも前世から今世へと渡ってきたとのことで、今のところ間違いなく敵なのですが、何とかして協力関係に持ち込めば話がかなり進むと思いますが…。
ディオンが転入してきた理由は祖父の願いをかなえるために、クレアより先にヴィークと親しくなり、クレアとヴィークが親しくならないように立ち回り、自分がクレアと恋仲になることで邪魔なクレアを消すつもりでした。
しかし、クレアも2度目の人生を送っていることが分かり、自分の計画が崩れ、祖父の望みをかなえるためだけに生きてきたというディオンは絶望してしまいます。
家の期待に応えるためだけに生きてきた、苦悩するディオンに一歩踏み出して自由に生きる道を見つけてほしいと説得します。
クレアは母を殺された怒りで魔力が暴走していた状態で言葉を発したため、ディオンの意識を操作してしまい、絶望していたディオンはクレアの言葉通りに希望を持ったのでした。
ディオンはクレアによって洗脳されたという事ですが、クレアのような規格外の魔力を持った人の洗脳は、だれも解くことができなさそうですがどうなのでしょう。ディオンにとってはこれがプラスなのかマイナスなのかわからないですが、これからの2人の関係がどうなっていくか楽しみです。